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暁サイド
「おま、何言って・・・！」
土方が動揺し、うわずった声でそう言ってくる。
「何もクソもないだろ。
私の情報に、嘘があった。
確かに銃は二丁、刀ばかりだった。
でも爆弾についての情報を売った覚えもないし
そのことに気づいたのはここにきてから。
それに百人と言っておきながらも実際に倉庫にいたのは
３/１程度。
・・約束したんだ、私の首は取ればいいよ。
殺人犯にもなったしな」
・・・もうずいぶん前から立派な殺人犯が、
一体何を言っているんだと内心苦笑い。
でもま、情報に誤りがあったのは事実。
それにここで死んだ方が、
私は誰にも迷惑かけないのかもしれないな。
「ちょっと待て。」
沖田の声。
いつもより低い気がしなくもないが、
一体どうした？
「別に嘘があったわけじゃねェだろィ。
爆弾のことは俺らもお前も想定外、
倉庫の中と外合わせりゃ、１００人にはたどり着く」
「・・・今回ばかりは総悟に賛成だ。
別に嘘があったわけじゃねェし、
むしろお前の情報と爆弾処理、
剣の腕で俺らは生き残ってるようなもんだ。」
ん・・・人に甘いやつらだなァ・・。
沖田なんて、さっきまで敵視してきてたじゃないか。
「・・・そう言うわけにもいかないだろ・・
私はお前らにまともな情報を流せてねェし・・
言ったろ、私は自分の仕事に誇りを持ってるんだよ。」
「なら、交換条件でどうでィ」
即座に沖田の声。
「てめェの情報収集能力はウチの監察より優れてる。
でもお前は仕事がちゃんとできてねェと思ってるんだろィ？」
沖田は淡々と言葉を紡ぎ、
ひょいと土方のほうを見る。
土方は、小さくため息をつくと
「お前は仕事を全うできなかった。
でもここで殺しちまうのは惜しい。
お前、ウチで働け。」
と口にする。
は・・・？
なんで私が、
普通なら捕まってるはずの私が、
捕まえる側に回らなきゃならない？？
斬首でいいって言ったじゃねェか、
斬首しろよ。
してくださいよ、お願いします。
「アラ。鬼の副長の頼みとなりゃァ、
アンタも無碍には断れねェだろィ。
こりゃあ、腹すえてウチで働きなァ」
・・・お前が目で指示したんだろうが。
げっすい顔しやがって。
・・・お前らといると、あの頃思い出しちまうんだよ。
証拠に口調が元に戻ってきてる。
でも、私に拒否権はない訳か。
「・・わかった。
でも一か月待ってくれ、
仕事が入ってるんだ」
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作者名：語り屋誠 | 作成日時：2017年3月7日 5時
