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沖田サイド



「総悟!!
 ちょっと来い!!」

浪士をあらかた斬り終って、

一息つくとそう土方さんに声をかけられた。

「いったいなんだってんです?
 もう立ってる浪士はいやせんぜ」

「白水が一人斬った。
 そのあと姿が見えねェ!」

!?

どういうことだ、一体。

あいつが、浪士を斬った??

刀つかえたのか!?

・・・そう言うことじゃねェな。

山崎が見てたんじゃなかったのかィ?!

土方さんが倉庫の外に向かって走り出し、

俺もその後に続く。

!?

外はもう暗くなっていて、

辺り一面に灯りが散乱していた。

ぼんやりと照らされているのは、おびただしい数の浪士共。

倉庫の中よりもきっと多い。

「これを白水が・・・・?」

土方さんはぼそっとそう漏らすと、

「山崎!!
 いねェのか!?」

と辺りに向かって叫んだ。

「はい!」

すぐにそう声がして、

アスファルトを駆ける音がする。

・・・山崎は生きているのに、

白水は逃げ出した!?

一体どういうことでィ・・・・

「山崎、白水は!」

「あ、ここにいます」

『?!?!?!』

「あ〜・・・・・
 悪い、場、撹乱しちまったか・・・?」

暗くて顔は見えないが、

申し訳なさそうな白水の声がする。

こいつは一体、何がしたかったんだ・・??

「なっ・・・!?
 お前、逃げたんじゃねェのか!?」

それに対して土方さんはそう叫び、相当焦っている様。

・・いい気味でィ。

「自分から言いだしといて、逃げはしないでしょ・・
 いや、
 山崎が参加してない浪士がいるって聞いたって言うから
 自分の推測に間違いがあったことに気づいてな。
 倉庫の中の連中は囮、
 彼奴らは爆弾と一緒に心中するハラだった。
 本命は外、爆弾で弱った真選組を急襲する為の。」

その声はあの店や屯所の中で淡々と情報を売ってみせた時より

感情が見え隠れしていて。

安心と悔しさみたいなものが、入り混じっているような気がした。

「・・浪士は見りゃわかるが・・
 爆弾は!?」

「ん、解除した。
 解除中に、一人斬っちまったしなァ・・・
 悪いことした。
 ・・・ま、今日は別に牢でもどこでもいいや。
 明日朝一番で、斬首してくれよ」

へらっと笑っているような気がしないでもない声で、

白水はとんでもないことを口にした。

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作者名:語り屋誠 | 作成日時:2017年3月7日 5時

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