蝙蝠の秘密3 ページ46
「…わかりましたわ。けれど、ハリー達はどうなさるのですか。
彼らはもう、私以上に首を突っ込んでいる上に…当事者です」
「我輩がなんとかする。ダンブルドア校長もこの件は知っている。だからもうお前は関わるな」
「畏まりました。ご忠告、ありがとうございます。私からも彼らには伝えてみましょうか」
「それもやめろ。大人が全て解決する、子供は手を出すな」
「…はい」
それほどまでに危険なのか、この問題は。
賢者の石をクィレルが盗もうとしている、私は単純にそう考えたが、どうやら違うらしい。
それにスネイプのあの言い様、どうにも好奇心が疼くが、あそこまで言われては無下にもできない。
私は、スネイプの言う通り、この件については手を引こうと思う。
そう決意して、私はスネイプに頭を下げて立ち去った。
ぼーっとしながら広間へ戻ると、監視でもしていたのかドラコがすぐに現れた。
「随分遅かったな。主賓の癖に、早く戻って来いと言っただろう」
「ごめんなさい…って、主賓？」
どういうこと、と声を上げる前に、広間のど真ん中へ連れ出された。
にこにこと微笑ましく見つめてくる客達にどぎまぎしているうちに、がっしりとホールドされる。
これは、もしかして。
「…ファーストダンスってことかしら」
「ああそうだ。ドレッドノート家の令嬢たるもの、ダンスくらい出来るだろう？」
ニヤニヤと楽しげに笑うドラコに、すっと腰を引かれる。
子供のダンスなんて何が楽しいのか、大人達はうふふと笑いながら見てくる。
ドラコにここまで言われて引き下がる私でもないが、所詮子供、優雅とは言い難いものの、軽快なワルツにのせてせめて醜くない踊りを披露してみせた。
けれどドラコは時々自己中心的な動きをして、ついていけない。
コノヤロウ、と心の中で汚く罵って、あとでしこたま仕返しをしてやろうと画策した。
「ふん、まぁまぁだな。たまについてこれてなかっただろ」
「あなたのせいよ。覚えてなさい、あとで痛い目見せてやるから」
ゆっくりと深く呼吸をしながら、キッとドラコを睨む。
楽しげに笑っていたドラコはビクリと震えたが、でも、と続けた。
「…楽しかったぞ、意外と。まだ、誘ってもいいか」
彼らしくもない、存外控えめな言い方に面食らって、私は大して考えもせず諾と答えてしまった。
何年か後に、このことを後悔することになる。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
