冬の到来 ページ35
ホグワーツにも冬がやってきた。
はぁっと息を吐くと冷たく、白く空へ登っていく。
廊下は隙間風が吹いて、足元が芯から冷えるような感じがする。
ハリーは、クィディッチの練習が忙しくなってバタバタしている。
クィディッチシーズンの到来だ。
もうすぐシーズン初めの試合…それもスリザリンとの対決ということで、寮内は沸き立っていた。
ある時、魔法薬学の授業でまたもやドラコと隣の席になったので、話を振ってみた。
「ねぇドラコ、今度のクィディッチの試合、楽しみね」
「おや、そんなにグリフィンドールが惨敗するところを見たいのか？物好きだな」
「あら、嫌味ね。違うわ、普通に楽しみだって言ってるのよ」
「何を言っているんだか。グリフィンドールは数年ずっとスリザリンに負けているんだ、今年も負けたら、ポッターなんかはもうホグワーツで大きな顔はできないだろうな」
嬉嬉として語るドラコに呆れて、私は乱暴に魔法薬をかき混ぜた。
そのせいか、ボンッ！と音を立てて赤い煙が上がって、大惨事には至らなかったもののスネイプにはしこたま怒られた。
ドラコはそっぽを向いて知らんぷりを決め込んでいた。
✤
そして、ついにやってきた試合の日。
大広間へ行くと、ハリー達3人がもそもそと朝食を摂っていた。
しかしハリー自身はあまり食べず、フォークに刺したソーセージをマジマジと眺めている。
私はシェーマスの隣に座って、彼らを見た。
「ハリー！あなたは朝食をしっかり食べないと」
ハーマイオニーが甲斐甲斐しくお節介を焼くが、ハリーは首を縦に振らない。
「何も食べたくないよ…」
「トーストをちょっとだけでも」
「お腹すいてないんだよ」
私はため息をついて、ハーマイオニーとロンの代わりにハリーを諭す。
「ハリー、きちんと食べなきゃ空腹で気持ち悪くなるわよ」
「Aまで…。お腹空かないって言ってるのに」
私は肩を竦めて、美味しそうにスクランブルエッグを頬張った。
すると、隣のシェーマスがスプーンを振り回しながら言った。
「ハリー、力をつけておけよ。シーカーは真っ先に狙われるぞ」
「……わざわざご親切に。」
ハリーの皿にしこたまベーコンをのせるシェーマスを冷めた目で見ながら、彼は皮肉げに笑った。
私はもう一度スプーンいっぱいのスクランブルエッグを口に含んで、机の影でシェーマスに親指を立てた。
シェーマスもそれに気づき、ウインクを返してくれた。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
