新たな友達 ページ34
マクゴナガル先生はもう一度私達を見て、1人5点ずつ加点した。
急いでトイレを出て、足早に寮へ向かう。
誰も一言も喋らなかったが、ふたつ上の階へ上がったところでロンが口を開いた。
「3人で15点か」
「3人で10点だよ」
ハリーがボソッと言う。
私は2人をちらっと見て、どうして助けたのか聞いてみた。
「ハーマイオニーは、嫌な奴って言ってたくせに」
「だってそりゃあ…」
2人は顔を赤らめて口を噤む。
私は肩を竦めて、肖像画を開いた。
生徒達が騒ぐ中、ふと見ると、ハーマイオニーがたった一人でぽつんと立っている。
しかしすぐに私達に気づき、小走りで近寄って来た。
怪訝に思っていると、彼女は泣き腫らした目で礼を言った。
「…ありがとう」
私達は驚いて、目を見張る。
プライドの高い彼女が殊勝に謝るなんて…と面食らったが、私は感極まって彼女を抱きしめた。
よかった、彼女が少しでも変わってくれて。
「A、大好きよ」
「…！え、ええ。ハーマイオニー、私も！」
そんな私に、ロンがため息をついて茶化す。
「おやおや、そんな君を助けた王子様は、僕達なんだぜ？」
「知ってるわ。私からも、ありがとうロン」
そうして私達は友達になった。
私抜きであの3人のほうがずっと仲が良いのは、ちょっと寂しいけれど。
✤
「失礼致します、マクゴナガル先生」
「おや。ミス・ドレッドノート、どうしましたか？」
「実は、先日のトロールの件でお話したいことがあります」
「…わかりました、聞きましょう」
「ミス・グレンジャーのことですが、あのとき彼女が言ったことは、嘘です」
「まぁ…。確かに、そのような気はしましたが」
「ミスター・ポッターとミスター・ウィーズリーの2人と彼女が、仲違いしました。それで彼女が泣いていたのを、私は探しに行ったのです。
しかしそこにトロールがやって来て、私は彼女を守ろうとしました。それを2人は助けてくれたのです」
「そういうことでしたか。なるほど、納得がいきました。それで、ミス・グレンジャー達は仲直りができたのですか？」
「はい。とても仲が良いです」
「ならば結構。ミス・ドレッドノート、教えてくれてどうもありがとう。あなたの…あなたと、ミス・グレンジャーの友達思いな心を讃えて、グリフィンドールに5点」
「ありがとうございます、マクゴナガル先生」
「いいえ。これからも、努力して下さいね」
マクゴナガル先生は、とても柔らかく微笑んだ。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
