ハロウィーンの闖入者4 ページ33
棍棒が頭に落ちたトロールは、目を回してゆっくりと地に伏した。
ドォォン！という低い音と振動が響き、あたりは静まり返った。
私はロンの背中から顔を出して、息を飲む。
「これ…死んだの？」
「いや、ノックアウトされただけだと思う」
ハリーはトロールの顔の前でしゃがんで杖を引っ張り出すと、灰色のベトベトしたものがついていた。
「ウェー、トロールの鼻くそだ」
ハリーがそれを拭き取っていると、バタバタという足音と共に先生方が現れた。
真っ先に駆け込んできたマクゴナガル先生が倒れたトロールを見て驚き、そして私達を見て唖然とした。
後から入ってきたクィレル先生はトロールを見た途端悲鳴をあげて座り込み、スネイプはトロールの顔を覗き込む。
「一体全体、あなた方はどういうおつもりなんですか」
マクゴナガル先生が厳しく問う。
「ミス・グレンジャーとミス・ドレッドノートは、大広間にいませんでしたからまだ理解できます。
ですが、寮にいるべきあなた方がどうしてここにいるのですか？」
そもそも、なぜ大広間にいなかったのか。
マクゴナガル先生は私を見据えた。
「私は、」
「違うんです、マクゴナガル先生」
突然、ハーマイオニーが声を上げた。
「私がトロールを探しに来たんです。私、…私一人でやっつけられると思ったんです。
あの、本で読んでトロールについてはいろんなことを知ってたので」
まるで、ハリーとロンを庇うように。
規則破りをあれほど嫌っている彼女が、真っ赤な嘘をついた。
「二人が来てなかったら今頃私、死んでました！私を心配して止めに来たAも殺されていた。
ハリーは杖を鼻に差し込んでくれて、ロンは棍棒でノックアウトしてくれた。そして何より、Aはトロールに襲われた時、私を背に庇って囮になろうとしてくれました！」
必死に弁明するハーマイオニーに、マクゴナガル先生は顔を顰めた。
「ミス・グレンジャー、なんと愚かしいことを。たった一人で野生のトロールを捕らえようなんて、どうしてそのようなことを考えたのですか？」
ぐっと唇を噛み、俯くハーマイオニーにマクゴナガル先生は追い討ちをかける。
「ミス・グレンジャー、グリフィンドールから5点減点です。あなたには失望しました。
怪我がないならグリフィンドール寮に先に帰った方が良いでしょう、生徒達が中断された宴の続きをやっています」
ハーマイオニーは小さく頷き、頭を下げてトイレを出て行った。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
