脱走者たち2 ページ27
「ハリー、まさかあなたがこんなことするとは思わなかったわ」
ハーマイオニーがいきなり立ち上がって怒鳴ると、それに驚いたロンがまた君か、と不機嫌そうに唸った。
「ベッドに戻れよ！」
「本当はあなたのお兄さんに言おうと思ったのよ。監督生だもの、絶対にやめさせるわ。
でもいきなり怒られるのはかわいそうだから、Aに相談して私たちで止めることにしたの」
ハリーとロンが、ぎくっとして私の方を見た。
私はふぁ、と欠伸をして、柔らかいソファに沈んだまま二人に言う。
「相談、というか無理矢理叩き起されたんだけど…。
この私を無理矢理起こして、説得できませんでしたじゃ割に合わないわよ。
あなた達、行くのをやめなさい。さもなくば、何かしら見返りを頂戴」
「見返りって、そんなの、マルフォイをこてんぱんにしてやるのさ！あいつの吠え面をおがませてあげるよ」
「嫌よそんなもの。私ドラコと友達だもの、それに、そんなもの見たって私になんのメリットもないわ。却下ね」
私は鼻を鳴らして、ソファから立ち上がって肖像画へ歩いた。
驚いたハーマイオニーが声を上げるが、それを無視して私は肖像画を開いた。
「ハリー、ロン。あなた達がどうしようと私には関係ないわ。好きなようになさい、けどね」
怪訝そうな顔をする二人に、私は手を差し出した。
「なにか面白いものを持って帰ってきて。楽しみにしてるわ」
「…わかった、面白いものだね」
ぽん、とハリーが手を重ねる。
ついでロンも同じようにして、肖像画を出て行こうとした。
「待ちなさいよ！A、止めてくれるんじゃなかったの？！」
「止めたわよ。だから私は御役御免、だからハーマイオニー、あなたがついて行って、二人を見張れば？」
ぐっ、と拳を握るハーマイオニーは、諦めたように二人を追いかけた。
肖像画を出た三人を見送ろうと顔を出すと、なんとネビルがうずくまっていた。
「ネビル？何してるの？」
「ああ、よかった！見つけてくれて」
ネビルはむくりと起き上がり、お尻をはたいた。
「もう何時間もここにいるんだ。ベッドに行こうとしたら、新しい合言葉を忘れちゃって」
「そうだったの。合言葉は『豚の鼻』よ、ネビル。さあ、中に入りましょう」
私はネビルを連れ、三人にウインクをして肖像画を閉じた。
眠ろうと思ったが、妙に目が冴えてしまったので、ネビルを見送ってからまたソファに沈み込み、三人が帰ってくるのを待つことにした。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
