脱走者たち ページ26
ある晩のこと。
良い香りのミルクティーと適度な読書、そして美しい星月を自室で堪能した私は、とても素敵な気分でベッドに入った。
だからとっても機嫌が良かったし、真夜中にハーマイオニーにいきなり起こされても蹴っ飛ばしたりしなかった。
「A！起きてちょうだい、起きて！」
「…んん…んぅ」
「起きてったら！」
「うるさぁい…」
でもやっぱりうるさかったから無視していたら、より一層彼女は私を揺さぶった。
私は我慢ならず思いっきり布団を蹴っ飛ばして、やめて！と叫んだ。
「こんな夜中になにすんのよ…迷惑よ」
「だって、あの二人ったら抜け出そうとしてるのよ！」
「なに？」
ハーマイオニーも負けじと言い返してくるから、私はムキになって聞いた。
「一体なんだって言うの…例のあの人でも蘇ったの？」
「違うわ。あの二人…ハリーとロンが、マルフォイにけしかけられて、寮を抜け出すって言うのよ。そんなのダメだわ、止めないと」
「はぁ…」
私は大きくため息をついた。
ギリギリと眉間に皺を寄せ、眠気でゴロゴロする目を必死にあける。
「ねぇ、ハーマイオニー。それって、私を起こしてまでやるようなこと？
あなたの目が正常に機能しているならおわかり頂けると思うけれど、私、寝起きってすこぶる機嫌が悪いのよ。
蹴っ飛ばされたくなければ他を当たって」
「…っ、そ、そうよ、あなたを起こしてまでやることよ。だってあの二人は、あなたの言うことならきくもの」
「あら、なぜ？」
「だってあなた、マルフォイを手なずけてるじゃない」
「手なずけてなんかないわよ。ただ対等なだけ、だからハリーもロンもあなたも私の言うことなんかきかない、わかったわねおやすみ」
「お願い！一緒に来て、A！」
あんまりしつこく食い下がるものだから、私はイライラしてとうとうこう言ってしまった。
「うるっさいわね、わかったわよ。行けばいいんでしょ、行けば。
ついてってあげるけど、それだけよ。ハリーとロンを止めるだけ。それ以上はなにもしないから」
「ええ、それでいいの。ありがとう」
私はネグリジェの上からストールを羽織って、ハーマイオニーについて部屋を出た。
階段を降りて談話室へ潜んでいると、数分後男子寮から声が聞こえてきた。
「静かにしないとね…」
「…うん」
ハーマイオニーの言う通り、ハリーとロンが現れた。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
