飛行訓練3 ページ24
鶴の一声、とはこのことか。
私やパーバディが言ってもたいして効果がなかったのに、ハリーが声をあげた途端、水を打ったように静まり返った。
しかしドラコも負けじと言い返す。
「それじゃロングボトムが後で取りにこられるところに置いておくよ。そうだな、…木の上なんかどうだ？」
「こっちに渡せったら！」
しかしマルフォイは嗤って、箒に飛び乗って浮き上がった。
ほら取りに来いよ、という声に乗せられ、ハーマイオニーが止めるのも聞かずにハリーも飛んでいってしまう。
「ドラコ！！いい加減になさい！！！」
私は腹から声を出して怒鳴った。
一瞬ビクッとして、曇天の瞳がこちらを見る。
私は強くその瞳を睨んだが、ふいっとそらされてしまった。
そして次の瞬間、
ドラコが思い出し玉を投げた。
「やっ、…！」
声にならない悲鳴を、私もハーマイオニーもあげる。
思い出し玉を追って、ハリーがとんでもない速さで飛んで行った。
どんどん加速し、塔に向かって真っ直ぐに飛ぶ。
ぶつかる、と思うまもなく、ハリーは華麗に箒を方向転換させ、するすると戻ってきた。
その手には、ゆらりと光る思い出し玉。
思わずといったように、グリフィンドール生から歓声があがった。
「ハリー！すごいじゃないか！！」
「さすがポッターだ！」
わぁわぁという声を背に、私は呆然と立ち尽くすドラコへ歩み寄った。
「…ドラコ、」
「寄るな、ドレッドノート」
いつの間にか、呼び方も変わっていた。
「僕は今、君と話したくはない」
その目は、羞恥と、嫉妬と、怒りに燃えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 669人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
