しもべ妖精福祉振興協会 ページ3
「できたわ！」
「ウーン…そうねぇ」
嬉々として喜ぶハーマイオニーとは対照的に、私はあんまり乗り気ではなかった。
しもべ妖精運動の一貫としてバッジを作ったのだが、…書いてある言葉が『反吐』なのだ。
しもべ妖精福祉振興協会、名前はいいが、なぜSPEWなのか。
ハーマイオニーには何度も提言したが、じゃあほかに名前があるの？！と怒られて終わりだった。
「早速ハリーとロンにも見せに行きましょ！」
「はいはい、仰せのままに…」
寮に戻って、色とりどりのバッジをハーマイオニーが得意げに見せたが、2人は胡散臭そうに笑うだけだった。
「僕たちに『反吐』って書いたバッジをつけろって言うのかい？」
「反吐じゃないわ！S・P・E・Wよ！」
ハーマイオニーの運動には概ね賛成だが、このバッジだけは頂けない。
私は彼女へ2シックルを投げて渡して、すみれ色のバッジをローブの裏につけた。
「はい、私広報担当ね。他の寮にも友だちいっぱいいるから、ちょっと広めてみるわ」
「ありがとうA！でも、バッジは表につけてよ」
「遠慮しとくわ…もう少しいいデザインがあったでしょうに」
言いつつハーマイオニーに隠れてこっそりバッジを指でつついて、柄を変えた。
S・P・E・Wではなく…可愛らしいしもべ妖精のシルエットに。
シルエットのしもべ妖精は可愛らしくちょこんとお辞儀をして、耳をパタパタさせながらバッジの中を走り回った。
バッジの下には小さく協会名がフルで書かれていて、SPEWの文字は消え去っている。
最初からこうすれば良かったのに。
それから1ガリオンをロンに投げた。
「財務担当のミスター・ウィーズリー、雑収入としてミス・ドレッドノートから1ガリオンよ。記録しといて」
「なんでだよ！そんな反吐なんて…」
ロンには赤のバッジ…勿論柄は変えてある…を渡すと、仕方ないなと2シックルを出してきた。
ハーマイオニーは気を良くして運動内容や声明文を声高に主張しているが、ハリーたちは呆れ気味だ。
最初からこの2人がこの調子なのはわかっていたが、ここまでわざとらしくしなくてもいいのに。
と、その時窓をトントンと叩く音がした。
窓枠には、真っ白なふくろう…ヘドウィグが止まっている。
「ヘドウィグ！」
「なんて書いてあるの？」
ハーマイオニーが聞くと、ハリーは真っ青な顔で吐き捨てるように言った。
「こっちに帰ってくるって。シリウスが戻ってきて捕まったら、僕のせいだ！」
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
