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2話 劣等感 ページ4

兄さんは、知っていた。

いや、あの洞察力があるのだ。知らない方がおかしい。

階段を降りて、リビングに行くと兄さん達は雑魚寝していた。

確か、10時辺りから飲み始めていた。今の時間は深夜の3時だから5時間も飲み続けていたのだ。

2日酔いにならなければいいのだが。

電気は未だについており、散乱している缶ビールや酎ハイなどを片付ける。

おつまみも残っていたので、ラップに包んで冷蔵庫に入れる。

後は、全員に毛布をかけて電気を消した。

私は、2階に戻りパソコンを弄る。

この時、既に独自のネットワークが出来ており、偶にだが情報を売ったりもする。

すると、一階で誰かが起きた。

そして、2階に上がって来ている。

私は、即座にパソコンの電源を切る。

そして、ベッドに横になる。

コンコンコンと部屋のドアがノックされた。

ドアがゆっくりと開いてその人は、ベッドの上に座る。

「お前だろ?リビングを綺麗にしてくれたの。ありがとう、遥華」

兄さんだった。

頭を撫でられた。不思議と悪い気はしなかった。

目を薄く開くと、兄さんは笑った。

「眠かったよな。ごめんな、遥華」

最後に瞼にキスを落とされた。

兄さんは、部屋を出た。

むくりと起き上がる。

貴女「、、、何も、知らないくせに」

今までのこの感情は隠しきれない程に煮え立っていた。

顔を見るだけでイライラする。









ーー

私が4歳の時、兄さんは音信不通になった。

両親は、私を責めた。

「貴女の所為よ!貴女ばっかり構ってしまった所為よっ‼」

「母さん、ダメだ。つながらない」

「あぁぁ、零!零!」

本当にこの世界は不平等だ。

「貴女なんて、貴女なんてっ、、産まなければ良かったっ‼」

その時、私の心は死んだ。

やはり、この世界に必要なのは兄さんの様だ。

私は、両親の気がすむまで殴られ続けた。









ーー

それから、二人はよく出掛けるようになった。

帰ってくるのは、深夜遅くだった。

私はその間、散歩したりしていた。

あの日は雨が降っていた。

容赦なく降り続ける雨は、私の体を何度も叩く。

ただ、ぼーっとして歩く。

すると、誰かが傘に入れてくれた。

「あら?こんな時間にお散歩かしら」

貴女「うん」

「そう、ならお姉さんに付き合ってくれるかしら?」

貴女「2時30分までなら」

「ありがとう、私はクリスよ。貴女は?」

貴女「遥華」

「遥華ね。とても綺麗な名前ね」

3話 クリス→←1話 聞いてない



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ベルモット - 始めまして、ベルモットです。夢主の成長家庭が予想外にも苛烈な環境で驚きた。夢主が幸せになれる日を私は望みたいです。 (2019年12月28日 20時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってくださいね! (2019年11月27日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - すごく感動しました!ずっと涙腺崩壊してました!良い作品ですね!続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年1月31日 23時) (レス) id: 833a45e133 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - カルピン☆☆さん» このような駄作に泣いて下さりありがとうございます。更新、頑張ります! (2018年3月31日 10時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - いゆさん» ありがとうございます。更新、頑張ります! (2018年3月31日 10時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒狗 | 作成日時:2018年2月24日 16時

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