死にたがりやの幼女審神者 (ページ50)

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45話背中3 ページ50

ゆっくりと進む時間に苛立ちを覚えながらも、目を閉じる。

この瞬間の時だけは、幸せになれるひと時だ。

何もかもを忘れて自由でいられる時間。

そっと、外を見る。

静かな空間に微かな音が嫌に響く。

虫の鳴く音、水の流れる音。

「解放されたい、、、」

そう、俺が望むのは刀解だ。

苦しいのはもう嫌だ。

もう、、、全てを終わらせたい。

ーー

貴女「、、、」

夜、目が覚めてしまってそこら辺を散歩していたら男性の声が聞こえた。

「解放されたい、、、」

寂しそうな声が静かに響く。

貴女「っ、、、！」

何故か涙が出て来る。

「誰かいるのか？」

貴女「ふっ、、、」

「何故泣いている。人の子は良く分からない」

貴女「だって、、、」

「早く帰れ、光忠が来る」

貴女「光忠？」

「奴は人間が嫌いだ。だから」

貴女「じゃあ、またこの時間に来ても良い？」

「好きにしろ」

貴女「うん」

椿は、静かにその場から去った。

「不思議な奴だったな」

ーー

次の日の夜も、人の子は来た。

「物好きだな」

貴女「貴方と話したいと思ったから」

「ふん」

貴女「私は、椿。貴女は？」

「大倶利伽羅だ」

貴女「伽羅、、。伽羅って呼んでも良い？」

「好きにしろ」

貴女「ねぇ、痛くないの？」

「別に」

貴女「治すね」

そう言って俺に触れると傷が治った。

「なっ⁉」

貴女「ここは、少し寒いね。私の部屋に行こう」

「何故そうなる」

貴女「暖かい所で寝た方がいいから」

椿は、大倶利伽羅の手を引く。

「お、おい」

貴女「行こう。光忠って人には秘密だよ」

「はぁ、、仕方がないな」

そう言いながらも笑ってくれた大倶利伽羅に自分はどんな顔をすればいいか悩んだ。

部屋に着くと、髭切達も寝ていることを確認すると寝室に入った。

「ほら、寝るんだろ？」

貴女「うん」

ーー

寝室のドアから声をかけるも返答が無く、仕方なくドアを開けると固まってしまった。

「主、、、隣のその大倶利伽羅は誰だい？」

起きる気配の無い椿に対して問うが起きたのはその大倶利伽羅だった。

「君、生意気だね。主の隣で寝るなんて」

「髭切、待て。これは」

「問答無用っ！」

貴女「んっ、、、髭切？」

「主、この大倶利伽羅どうしたの？」

貴女「連れて来た」