死にたがりやの幼女審神者 (ページ33)

今日:17 hit、昨日:14 hit、合計:550,525 hit

29話一人4 ページ33

薄暗い部屋に一人、悲しそうな顔をした男性がいた。

「俺は、どうすればいいんだ」

「どうすればって、、、蜻蛉切が会いに行ったら解決すると思うよ」

そこには、襖を半分開けて寄りかかる加州清光がいた。

「加州殿」

「まぁ、どっちもどっちって感じだけどね」

「加州殿、、、頼みたいことがあるのですが」

「嫌だよ」

清光は即答した。

「貴方も分かっている筈、この身体が限界だということに」

「分かってる。けど、蜻蛉切じゃないと千子村正は分かってくれないよ。それに、千子村正は諦めてないよ。蜻蛉切と会うこと」

確かに、蜻蛉切の身体は危険だ。

刀身もボロボロで手入をしなくてはいけないぐらいだった。

「では、どうすれば良いのですかっ！こんなボロボロの身体で、、、動くこともままならないのに」

「ボロボロでも、苦しくても辛くても会いに行くのが家族でしょ？」

「っ、、、！家族」

「家族でしょ？俺は、安定と家族だと思ってるよ。あいつは、知らないけど」

「じゃあ、俺はどうすれば、、、」

「審神者部屋に連れて行ってあげる。そしたら、手入してくれるよ。多分、霊力だけで。主、今、熱出してるから霊力が溢れてるんだ。だから、ほら、行くよ」

清光は、蜻蛉切の腕を掴むと立ち上げて歩き出した。

「くっ、、、！」

「耐えて。大丈夫、そこまで遠くないから」

清光は、自分よりも体格の違う蜻蛉切を支えて歩いた。

「ほら、ここが審神者部屋だよ」

「ここが、、、」

清光は、ドアを開けると見知った人達と千子村正がいた。

「千子村正、、、」

「蜻蛉切、、、」

二人は、目を見開いていた。

「感動の再会だね」

清光は、笑って言った。