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メイコ姐の体が沈む。どっしり構えて。
「高いっ」
ふわり、類の体が持ち上がって。
「メイコやめて――」
「たかぁぁぁぁぁぁーーーーーいッッッ！！」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ！！！！」
気付いた時には、類は爆速で天高くへと飛び立っていた。空飛ぶメリーゴーランドを超えて、雲を突っ切って。
申し訳ないけど、面白いくらい情けない悲鳴の尾を引かせながら。
圧巻の眺めだ。
「なんか……聞きたくなかったな。今の類の声」
「ああ……オレもだ。なんというか……」
「すっごーーい！ 類くん全然見えなくなっちゃったよーー！！」
「メイコメイコ、次はミクにもやってーー！！」
「ダメだよミク！ もうっ、メイコ、危険だからやめてって前も言ったよね！？」
「あはは、ごめんなさい、やるしかないって思っちゃって」
「ゎぁぁぁぁぁぁぁああああああ――」
「あら、帰ってきたわ！」
体感で数十秒後、空を見上げていると確かに米粒みたいなサイズの何かが徐々に落ちてくる。あのデカい類が米粒みたいに小さいなんて。
「は、はは……ッヒィぃっ…………さ、最高だぜメイコ……ッは、ふふ……」
「引き笑いになっちゃってるよA」
申し訳ないけど、正直死ぬほど面白い。
「よい、しょっと！ お帰りなさい！」
とんでもない速度で落っこちてきた類を、難なく受け止めるメイコ姐。漏れなくお姫様抱っこなのが更に俺の笑いを加速させる。
よいしょ、ってそんな軽いもんじゃなかった気がするんだけどな。普通なら受け止める側も弾け飛んでる気がするんだけどな。
そして、奇跡の生還者類はというと。
「……ッ…………」
「おーい？ ……あぁ……気絶してるぜ」
「まぁ、当然だな」
「あらあ、大丈夫〜？ 私のとっておきのお昼寝スポット、あそこに休ませてあげましょう〜」
そんなこんなで『第一回みんなで王様ゲーム大会』は怪我人(？)が出た為、中止となってしまったので、ある。
リベンジに燃える俺。説教を受けるメイコ姐。完全にノックアウトされた類。普段振り回される側でちょっと清々しい司。
王様ゲームはこれだからやめられない！
次回・《地獄の肋骨ハグ》！ 乞うご期待！
「もうやらないからね！！！」
「あ、おはよう類」
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