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__第四幕__ ページ18



「なんでお前がいるんだ……!!」
「なんでって、それは、一緒にフェニランに行くからに決まっているだろう」
「聞いてねぇよ!!!」


帰り支度を済ませ、教室を出たところのちょうど向かい側、真正面にソイツはいた。一年生の廊下に、二年生が。


「早くしないと練習に遅れてしまうぞ、ほら急げ」
「わかってっから! 頼む、目立つようなことはしないでくれよ……」


至極当然な顔で俺のことを待っていた天馬はぐい、と俺の腕を引っ張る。あぁ、連行される。


「助けてくれぇ〜……」
「なんか前にもこんなことあったなぁ。Aー、明日バイトの感想教えてねー」


俺と天馬が一緒にいることにもう違和感を感じなくなったのか、友人やクラスメイトは素通りだ。なす術もなく天馬に連れ去られる。

引きずられる格好は流石に嫌だったので、しばらくして自分の足で歩き始めた。


「海星は級友と仲良くやれているのだな、いいことだ」
「謎の目線から語ってくんなよ……で、なんで俺のこと待ってたわけ? 別に一人でも行けるんだけど?」
「この前みたく、迷子になられては困るからな!」


それから、と彼は言って、こちらを見ながらこてんと首を傾げた。ぅわ急にあざといポーズとったんだけど何コイツ怖。


「お前と一緒に行きたかったから、と言ったらどうする?」
「…………先輩、流石に騙されませんよ。よくもそんな恥ずかしいセリフ言えるっすね。逆に尊敬」
「むっ、手厳しいな。まぁ、スターになる男、これくらいは当然だ!!」


腐っても顔だけは良い男、今のセリフだって普通の女の子なら1発KO、恋へ一直線だろうが、俺は鍛え方が違うからな。今まで何人の恋愛相談や告白練習を請け負ってきたと思っているんだ。それくらいじゃあ、もう動じないぜ。


「おや、司くんに……Aくん。奇遇だねぇ」
「奇遇も何も、目的地は一緒でしょ……」


ちょうど校門を出たところで、後ろから声をかけられる。昨日怪しげな発言をしていた神代に、呆れ顔の寧々。二人とも俺らと同じくフェニランに向かっているところか。


「……せっかくだから一緒に行くか?」
「いいのかい? 後ろから見ていたが、随分と二人でお楽しみのようだったけ――」
「はっ倒すぞ」


やっぱり天馬以上の変人に絡むと良いことなんて一つもない。


「寧々、この馬鹿どもおいてさっさと行こうぜ」
「えっ、あ、うん、待って……!」


唯一の常識人である寧々を引っ掴み、二人から距離を取る。自衛は大事だぜ。

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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶(?)みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です!!お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます!! (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです!応援してます! (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩声 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年1月6日 9時

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