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「それでは練習を始める！ 今日も頑張るぞ！」
「よろしくお願いします！！」
四人の声が重なり合って、森の中に響き渡る。それに驚いたのか、鳥が数羽慌てた様子で飛び立っていった。
二回目の練習。前回よりかは幾らか技術も知識も向上しているはずだ。そうでないと困る。
聞いた話によると、今は休演期間だったらしい。通常公演などと言うから、年がら年中やってるのかと思っていたが、確かそれでは重労働が過ぎる。
それでも、残り一週間ほどしか時間がない。悠長にやってはいられないな。
「それじゃあAくん、今日はまず照明の動かし方を――」
「あ、神代、大丈夫だ。手間かけさせるわけにはいかないし、昨日勉強したからな。俺一人で物にしてみせる」
「そうかい？ じゃあ、何か質問があったら遠慮なく呼んでね。僕はあっちで装置の点検してるから」
「了解だ」
舞台裏のさらに奥、隅の方に山のように積み上がっている機械の一つを手に取って検分を始めた神代を見て、気合を入れ直す。
その目の前には、数々のスポットライト、照明を切り替えるスイッチ、その他諸々。文字で見るのと、実際やってみるのとでは勝手が違う。何がなんやら。
ええい、情けないぞ海星A。あの辛かった徹夜をおじゃんにする気か。
バチ、と己の頬を叩き、俺は作業に身を投じるのであった。
☆
スマホが五時三十分前を告げたのは、ちょうど俺一通り装置を触って全ての動作を確認した後だった。時間配分ピッタリ。俺天才かも。
奥でブツブツ言っている男(途中不気味に笑っていたりしてかなりビビった)を呼び、今日の成果を見せる。
「すごいね……普通、慣れるのには時間がかかる物だと思うけど、もう全て扱えるようになるなんて……」
「もっと褒めてくれても良いんだぜ？」
やってきた神代はそう言って、目を少し丸くしていた。恐らく俺がここまでできると思っていなかったのだろう。
正直自分もびっくりしている。努力ってすげぇ。
「勉強したと言ってたけど、一体何をすればこんな短時間で上達するんだい？」
「ただ普通に色々調べて頭に入れただけだ。それにまだ照明しかできていない。明日は練習無いが、ちょっと顔出して残りのヤツも使えるようにするか」
そう言うと、彼はじぃっと俺を見つめたあと、ちょっと笑って、「見かけによらず努力家だね」と言った。見かけによらないって、どう言う意味だよ。
一つ、クリアだ。
まだ、一つしか俺にできることがない。やるべきことはごまんとある。
努力、俺はそれが嫌いだ。自分を裏切った一番仲の良かった親友、そんな気持ち。
でも今は、それに頼るしかない。
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ありに(プロフ) - 5年ぶりに夢小説を漁ってたらとんでもない神作品に出会ってしまった…応援してます☺️ (2023年3月10日 19時) (
レス) id: 1064f8688a (このIDを非表示/違反報告)
ただのせかおた - 最初の注意事項とか舞台挨拶（？）みたいな感じで書いてるのめっちゃ素敵です！！お体には気をつけてこれからも頑張ってください💍応援してます！！ (2023年1月21日 23時) (レス) id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
kubota6(プロフ) - この作品めちゃ好きです！応援してます！ (2023年1月10日 23時) (レス) @page17 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
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