12 ページ14
その後はお互い喋らなかった。
ただ寝る前に互いの髪を触り「おやすみ」と言っただけ。
僕が眠りに付くのはそう遅くなかった。
疲れたのか瞼は直ぐに視界を閉ざす。
その日夢を見た。
嫌な夢だ。
家族、一人一人が一歩離れてる上辺だけの関係。
僕と姉が比べられてる夢。
降り注ぐ罵声。
言葉はもう聞き飽きた。
心臓を締め付けられるのはもう慣れた。
でも苦しいのはなんでだろう。
自分が認めてるから。
ダメな奴。馬鹿。何もできない。使えない。いらない存在。
認めてるのに何もしないから。
何をしたって無駄だと思ってるから。
思うように体は動かなくて、
何かを成し遂げるのが怖かった。
臆病者で誰かの影で生きようとしたら
結果こうなった。
あぁ早く覚めろこんな夢。
覚めろ。覚めろ。覚めろ 。覚めろ。覚めろ。
『____っ』
目を開けたらいつもと違う光景。
いつもと違う天井。
そういえば僕、審神者になったんだ。
「おはよー主ー。暑かった？汗出てるよ？」
加州に言われて額を拭う。
手に汗がついて気持ち悪い。
上半身を起こすとひんやりとした感覚に襲われ、全身汗だらけとわかった。
家だとこんな夢見たことなかったのに。
「お腹空いたからご飯作ろ？」
『あ、うん。…おはよ加州l。』
挨拶をすると加州ははにかみ笑顔になった。
「じゃ、俺は主のご飯取ってくるから主は俺のご飯作っといて！」
そう言いながらざるを持って外に出る加州。
ハッとなり慌てて呼び止める。
『昨日の花取ってきて。他のだとお腹壊すかもだから。』
「はーい」
今日は加州に出陣してもらうつもりだ。
初めてだからきっと怪我をして帰ってくるだろう。
傷ついた姿は見たくない。
ましては壊れた姿なんて想像もしたくない。
料理をしながらあれこれ考えた。
『痛…』
包丁で指を切ってしまった。
指から真っ赤な血が浮かび上がる。
『加州の色だ…』
想像してしまった。
血だらけの加州を。
その時僕は最低なことを考えてしまった。
血だらけの 加州を想像して
《なんて可憐で官能的なのだろう》
と思ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
練 玉覇(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます。また何かありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。 (2015年7月4日 11時) (
レス) id: 3b54fab689 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 練 玉覇さん» いえいえ、一気に沢山そのようなコメントが来てびっくりされたと思います。これからは気をつけてくださいね。このサイトも色々と大変なんで…笑 更新頑張ってくださいね！応援しています！！ (2015年7月4日 3時) (レス) id: 356676a0cc (このIDを非表示/違反報告)
練 玉覇(プロフ) - 彩さん» すみません。気付きませんでした。ご指摘ありがとうございます。 (2015年7月3日 19時) (レス) id: 3b54fab689 (このIDを非表示/違反報告)
穗鷹(プロフ) - ですが、オリフラは外してもらわないといけないから。ほどほどに呼びかけると良かったのかもね。連コメすみません。 (2015年7月2日 22時) (レス) id: 09d42e49d2 (このIDを非表示/違反報告)
穗鷹(プロフ) - 晏壽＊匿名の堕天使＠マカロンとショタとホモォは神さん» そうですねー作者さんもひさびさにここを見てみるとコメントが荒れててびっくりするかも知れませんね (2015年7月2日 22時) (レス) id: 09d42e49d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：練 玉覇 | 作成日時：2015年6月17日 18時
