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美味しそうにキツネ色に焼かれた魚は一人前。
ご飯も味噌汁も一人前。
加州はそれに気付くと眉を寄せた。
「ねぇ、主のは？」
僕は俯いた。
『じゃ、僕は僕のご飯を持ってくるよ。』
お皿を持って庭に出る。
月の光にあったって夜空を見上げる花を摘む。
桃色も花びらが泣くかのように揺れ、悲しげだった。
摘み終わって戻ると加州は驚いた顔をしていた。
予想どうりの反応だった。
加州と向かい合って座る。
花を一つ取ると口に運ぶ。
特に味はしない。
『僕の事軽蔑した？』
きっとこの声はさっきより冷たく聞こえただろう。
加州はただ呆然と僕を見ているだけだった。
『加州も身の上話してくれたし僕もするよ。』
僕がこうなった理由。
それは子供の頃言われた一言だった。
《貴方は普通じゃない》
なんでこんな言葉で傷付いたのかわからない。
けどその日から人が食べないような物を食べ始めた。
最初は自分の髪の毛、次は糊、爪、ボンド…
たまにお腹を壊す時もある、そして落ち着いたのが花だった。
たまるストレスと耳を通る暴言でこの異食症は治らなかった。
自虐とはこんなにも虚しい物とは思わなかった。
目の前の和紙越しの加州の目は見れない。
僕が口を閉じると静かな時間が流れた。
「主、顔を見せて。」
加州の声が突き刺さる。
震える唇を噛み自分に大丈夫と言い聞かせる。
ゆっくりと和紙を取り外す。
まっすぐ加州を見たくなかった。
目をそらす。
怖くて、逃げたくてしょうがなかった。
「うん、綺麗。」
加州はニコッと笑った。
《綺麗》そんな言葉とは無縁だった。
この言葉がこんなに気持ちが込められているとは思っていなかった。
「主、お花食べてよ。」
はい。と渡された花を食べる。
加州に見つめられながら。
人の視線はとても怖かった。
「俺さ、お花を食べてる主見て綺麗だと思ったよ。すごく綺麗だと思った。」
スラっと伸びた加州の手が僕の頬に触れる。
自分がとても冷たいのか彼の手は温かかった。
「だから、もう怯えなくても良いんだよ。」
瞬間、僕の目から涙が溢れた。
止まらない、喉から通る声が引っかかる。
怯えてたなんて思ってなかった。
自分すらも騙していたんだと
溢れる涙を加州は受け止めてくれた。
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練 玉覇(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます。また何かありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。 (2015年7月4日 11時) (
レス) id: 3b54fab689 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 練 玉覇さん» いえいえ、一気に沢山そのようなコメントが来てびっくりされたと思います。これからは気をつけてくださいね。このサイトも色々と大変なんで…笑 更新頑張ってくださいね！応援しています！！ (2015年7月4日 3時) (レス) id: 356676a0cc (このIDを非表示/違反報告)
練 玉覇(プロフ) - 彩さん» すみません。気付きませんでした。ご指摘ありがとうございます。 (2015年7月3日 19時) (レス) id: 3b54fab689 (このIDを非表示/違反報告)
穗鷹(プロフ) - ですが、オリフラは外してもらわないといけないから。ほどほどに呼びかけると良かったのかもね。連コメすみません。 (2015年7月2日 22時) (レス) id: 09d42e49d2 (このIDを非表示/違反報告)
穗鷹(プロフ) - 晏壽＊匿名の堕天使＠マカロンとショタとホモォは神さん» そうですねー作者さんもひさびさにここを見てみるとコメントが荒れててびっくりするかも知れませんね (2015年7月2日 22時) (レス) id: 09d42e49d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：練 玉覇 | 作成日時：2015年6月17日 18時
