2 ページ2
.
.
《 いや〜、助かったよ。
みんな東京に出てっちゃうんだもん。》
「 ううん、大丈夫。
わたしはわたしで地元に帰りたかったりしてた
からちょうど良かったよ。
涼介くん、誘ってくれてありがとう。」
涼介 《 いやいや、お礼を言うのはこっちだよ。
どれくらいに来れそうかな?》
「 明後日にはもうそっち向かえる。
店長、宜しくお願いします。なんつって 」
涼介 《 そっかそっか!じゃあ気をつけて来てね。
待ってます。おやすみ。》
「 うん、おやすみ。」
『 俺の店で働かないか。』
そう誘ってくれたのは先月のこと。
涼介くんにはだいぶお世話になった。
恩返しがしたくて、二つ返事で了承した。
少しでも彼の力になれたら、あの時の償いが
出来れば。そう思った。
それに、今の店を辞める口実にもなった。
わたしにはこの誘いがとても都合が良かった。
地元に帰る。
それは昔ながらの友達にも会える。
わくわくした気持ちが3割と、
ちょっと怖い気持ちが6割と、
もしかしたらって気持ちが1割。
みんなはわたしを受け止めてくれるのか。
涼介くんは良いと言ったけど、本当にそうなのか。
心の中がぐしゃぐしゃになって重くなって。
でもやっぱりわたしは生まれ育った
帰りたかったんだ。
.
.
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:橘 | 作成日時:2019年8月19日 21時