【月島蛍】ハロー、ロジカルボーイ【HQ】

31話 ページ31

*月島side




「月島くん、好きです！ 付き合ってください！」


部活前に5組の女子に呼び出された。
面倒だけど行かないともっと面倒になるのは目に見えている。

案の定、用事というのは告白。
好意を向けられるのは悪い気はしない。
僕がはっきり断ると、女子は泣きながら言った。


「Aさんなんて、八方美人で元々頭いいんだから月島くんの好みと全然違うじゃん！」

「はぁ？」


僕は自分の好みを公表した覚えはない。
山口にさえ言ったことないのに、他クラスの女子が知るはずもない。

そんなことよりも、Aさんが元々頭がいいだとか八方美人だとか言われたことの方が僕をイラつかせた。

ただ、ここで感情的になってしまっては僕の負け。
冷静になって言う。


「僕の好みって何？ 言った覚えないんだけど」

「それはっ、その……」


口ごもったら負け。
この女子が思ってる以上に僕は頭がいい自信がある。

ここぞとばかりに言う。


「それになんで急にAさんがでてくるわけ？ 友達を悪く言われれば僕も気が悪くなるんだケド」

「だって、仲良いから……」

「仲が良かったら好きな人になる訳？ そしたら僕の好きな人は山口になるはずだケド」

「山口くんは男の子だし……」

「僕がゲイってことは考えないの？ 随分身勝手な考え方だね」


ゲイではないけど。
そう心で訂正する。

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