27話 ページ27
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「あっ、月島くーん……」
土曜日の昼、私は自習室に向かうために体育館の前を通る。
扉の近くに月島くんが立っているのが見えたから、駆け寄って見るとそこには仁花ちゃんも居た。
どうやら仁花ちゃんがスポドリを月島くんに渡しているらしい。
うわ月島くん、羨ましい。
でも声をかけるのを躊躇ってしまう。
胸がずきんと痛んで、声をかけるために上げた手を下げる。
「いっか」
そう呟いてクルっと方向を変えて、自習室に向かった。
自然と下を向いてしまう。
ずきんずきんと痛みは取れない。
花壇に咲く黄色のパンジーが、月島くんに似ているとさえ思ってしまう。
フイッと、後ろを振り返って体育館の中を覗いてみる。
そこには月島くんと仁花ちゃんが笑う姿。
月島くん、私の前では笑わないくせに。
さらに胸の痛みが強くなる。
私はいてもたってもいられず走った。
自習室でしばらく勉強してると完全下校時刻のチャイムが鳴り響く。
私はぐっと背伸びをして筆箱なんかをカバンに入れる。
私は小さくため息をつく。
よし、帰ろう。
するとぽんぽん、と肩を叩かれた。
振り返ると、そこには月島くんがいた。
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ゆめこちゃん(プロフ) - すごく好み、、(?)で、素敵な作品でした、、。きゅんきゅんしましたありがとうございます(; ;) (2020年8月26日 4時) (レス) id: 6313a1e292 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 相成るさん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に嬉しいです!御愛読ありがとうございました! (2020年1月4日 20時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
相成る - すばらしいっ!! (2020年1月2日 23時) (レス) id: c03a59c17d (このIDを非表示/違反報告)
海石榴《ツバキ》(プロフ) - 時雨 彩さん» 終わってしまうのが名残惜しいですが、とても素敵な作品をありがとうございました!! (2019年12月20日 23時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 海石榴《ツバキ》さん» コメントありがとうございます。テストがあって更新ペースは遅い時期もありましたが、そう言っていただけて嬉しいです。御愛読ありがとうございました! (2019年12月20日 23時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
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