嫌な過去。

晩飯。 ページ20

私が倒れたせいで、晩飯が10時になってしまった。






それでも萩花さんと夏恋さんはニッコリ笑って、






「いただきます！」






と言った。






「……っ、いただきます………………」





「んー、口に合うといいなー。」








そ、そんなに見つめられると、緊張して………………






ぱくっ





ん、





「美味しいです。」






「あ、笑ったー！」





夏恋さんが嬉しそうに声を上げる。







え！？






笑った？






私が？






「笑った方が可愛いよ。」






夏恋さんがニッコリ言う。






でも……





そんな……





笑うなんて……






「良いんだよ。もう笑って。
　心開いて、良いんだよ。」






抱き締められた。





温かい…………






人ってこんなに温かかったんだ。







抱き締められたのなんて、何年ぶりだろう？






トクトク、と夏恋さんの心臓の音。






生きてるんだ。





生きてるから、温かいんだ。





この人達なら……






もう一度信じても……






良いのかな？






もう一度…………






もう一度だけ。






今度こそ大丈夫。






そう、神様が言ってるような気がした。

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