SnowStories

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ab side



俺は阿部亮平。朱雀会のトップ、宮舘涼太の左腕やってたりするんだよね。



割と肉体派な青龍会に対して、頭脳派なのが朱雀会。血が流れるなんてナンセンスだよ。トップの舘さんの教えである『セクシー、ロイヤル、美しく。』は厳守だからね。



舘さんは基本黒のスーツに身を包んでて、胸のポケットから真っ赤なクロスが顔を出す。それに対して俺は緑のクロスを覗かせてる。



まあ、頭脳派とは言えども争い事には巻き込まれてしまうもので。果たし状、なんてちゃっちいものが事務所に送られることもしょっちゅう。その度に大元の作戦を舘さんから聞いて、俺が作戦を練る。



俺が作戦を練っていると、後ろから感じる視線。不意に隣に香る香水。この匂いは…



fk「お、いいじゃん。」



ここの右腕、深澤辰哉。基本はふわふわしてるし年上感はないけれど、舘さんが絶対的信頼を寄せている人。割と疑り深い俺も、頼り甲斐のある人だと思ってる。



あ、そう言えば俺詰んでたんだよね〜。深澤…っていうか、ふっかに聞けばなんとかなるっしょ。



ab「ここさ、どうやって突破しようね。」
fk「うーん…事前にここハックしようよ、」
ab「あ、なるほどね。」



こんなに軽く言ってのける彼の耳には2連のピアスが開いていて。胸から覗く紫色のクロスは彼のアンニュイな表情を加速させる。



え？青龍会に比べて緩いんじゃないか？



そんなわけないじゃん。むしろ向こうより選考基準は厳しいはずだよ。ふっかだってハッキングの能力は俺の何倍もあるんだよ？って。ふっかの口癖は、



fk「この世のパソコン、俺以下だから。」



なあんて、言う。いや確かにふっかが手こずってんの見たことないんだよね。集中モードのふっかはポンパドールで眼鏡を掛けた姿で、そんなのしょっちゅう見掛けるもんね。



最近、楽しそうにスマホを動かしている様子をよく見る。どうやらいい感じの友達ができたらしい。チャット画面を見せてもらうと、上に表示されたHの文字。



ふっかも中々に疑り深い人なんだけど、連絡先を交換させるなんてこのHさんも凄いんだろうな。なんて考えていたら、舘さんから声が掛かる。



dt「ふっか、阿部ちゃん。」



おいでおいで、と手招きする舘さんの元にふっかと共に駆け寄る。



dt「数日後に青龍会と会食やるから。」



それだけを口にした舘さん。



え？青龍会って、ここと敵対してるんじゃ…

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