【第五人格】髑髏様のお通りだ【ツイステ】

1-24 誰だって私利私欲(己含む) ページ28

.

グリム｢…それにしてもあのエースって奴、遅いんだゾ。オレ様を待たせるとは良い度胸だ！｣

｢(そう言うお前もな…。)｣

ミニハが取り出した櫛で髪を解く。が、それから15分…30分待ってもトラッポラは来ず、とうとうグリムは痺れを切らした。

グリム｢まさかアイツ、逃げたんじゃないだろーな！｣

｢…かもな。で、どうする？捜す？｣

グリム｢罰をオレ様達だけに任せて逃げるなんて許さないんだゾ！とっ捕まえて窓掃除させてやるんだゾ！｣

そう言って大食堂を出るグリムを追い掛け、ペット達と共にエースを捜す。おれも暇じゃないんだっての。

グリム｢オラァ！エースはどこだ！｣

バァン！！と勢い良く開かれる扉に肩を揺らしながら、一年の教室を見渡す。どこにも生徒“は”居ないな。

グリム｢…居ない？｣

？｢いいや、私が居るよ。｣

グリム｢ふぎゃー！！！絵が喋った！？｣

教室の片隅に飾られていた肖像画の男が動く。それに驚くグリムに｢口があるから喋るのは普通だろう？｣と、男は言う。
まあ、個人の持ってる“普通(ゲシュタルト)”つーもんがあるから。

｢トラッポラって奴見なかったか。左目に赤いハートが描かれてたんだが…。｣

肖像画｢知ってるとも。今日から入って来た新入生だね。少し前に寮に戻って行ったようだけど…。｣

グリム｢にゃに〜！あの野郎やっぱり逃げやがったんだゾ！｣

…野郎、玉ちょんぎってやるァ。

｢…場所聞いても？｣

肖像画｢寮への扉は東校舎の奥さ。｣

グリム｢追い掛けるんだゾ！｣

腕を引っ張られながら東校舎へ走る。後ろからペット達が一生懸命全速力で着いて来るが、それを気に掛ける間もない。


.
東校舎の奥にあったのは7つの鑑、それぞれ寮のモチーフらしき装飾の額縁が着いている。中央には鑑へ向かおうとしているトラッポラが。

グリム｢こ〜〜〜ら〜〜〜！！！｣

エース｢げっ！！見つかった！｣

多分おれ今すごい形相だろうな、こっち見てあいつ青ざめてるし。…自覚ないけど。

エース｢お先っ！！｣

そう言い逃げる彼を、グリムは｢オレ様だってサボりたいんだゾ！｣と言い追いかける。って、お前も同類じゃねーか！

エース｢どいたどいた！！！｣

？｢お、おう！？｣

奴が走っていく先に、鑑へ入ろうとする先客の生徒がいた。

｢そいつ捕まえろ！役目放棄しやがった！｣

？｢何っ！それは悪い奴だ！何か捕まえるもの…。｣

生徒は呟きながら魔法陣を出現させ、頭上から大釜を落として来た。

1-25 後日、心臓痛くなったんだが→←1-23 こう見えて綺麗好き

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す