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※一部表現により気分を害される場合があります。
ご注意ください。
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坂本、亀井、元木の3人は
揃って同じ階の亀井の部屋へと向かう。
坂本はAを1人部屋に残すのが不安だったが
亀井が言うには、少し眠れば落ち着くらしい。
「フラッシュバックてどーいうことやねん。」
部屋に入るなり、元木が亀井に尋ねる。
「ちょっと事情がありまして…。」
試合中よりも真剣な表情の亀井に坂本は困惑する。
これから亀井の話す内容は、
坂本が全く知らなかったAの事実だった。
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PTSD
心的外傷後ストレス障害と言われる病気で
強い恐怖感や戦慄を感じたり悪夢を見たりするなど
さまざまな症状が現れる。
これが、Aの病名らしい。
「あの子な、ちっちゃい時に母親亡くしとんのや。
父親のDVが原因でな。」
Aは幼い頃、父から暴行を受ける母の姿を
目の当たりにしてきた。日常的に行われる父の暴力。
幼すぎるAにはそれを止めることもできず、
ただ母と泣く日々を暮らしていた。
ある日、父からの暴力を受けた母が突然帰らぬ人となった。
恐らく、殴られた衝撃で倒れ
その際にぶつけた箇所が悪かったのだろう。
当時Aは小学1年生。寒い冬の日だった。
学校から帰宅すると、家の周りに人集りができていた。
救急車にパトカーが複数台。
大勢の大人が家を出入りしていたような気がするが
この日以降、それ以前の記憶はほぼ消えてしまった。
Aは無意識に…自分の記憶に鍵をかけた。
その後、発作的な症状に悩まされる日もあったが
大学生になり、叔母に両親の話を聞いたことで
適切な治療が受けられるようになる。
少しではあるが心のコントロールができるまでになった。
それでもまだ今回のような事態になる時がある。
カバンに薬を常備し、信頼できる人にだけ事情を話している。
親友のまり、藤川夫妻、亀井、梅野。
前に進もうとする自分を応援してくれる人たち。
自分の全てを曝け出しても必ず受け入れてくれる人たち。
心から信頼できる人たちだからこそ
自分を預けることができるとAは亀井に話していた。
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作者名：おか(´･ω･`) | 作成日時：2021年9月1日 1時
