検索窓
今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:36,002 hit

Sakamoto's turn ページ18

.









ある程度スマホのバッテリーも充電させてもらったし

奥さんのメシもクソほど美味かった



たらふく食わせてもらい

まんぷくで少し眠くなった頃に

球児さんの車で駅まで送ってもらう




その道すがら、前を向いて運転していた球児さんが

なんの脈絡もなく話を振ってきた




「Aちゃん、可愛いやろ」


「……は?」



これは…俺はなんて返せばエエんですかね?

例えば『そうですね』なのか

はたまた『ブスですね』なのか



いや、ブスはアカンか





「坂本くん、見た目で判断すなよ」




ハハハと笑い飛ばす球児さん



なんや、そーいう意味か



まあ、性格ブスではないな

今まで俺の周りにおった女とまた違うタイプ



大学生いうたら遊んでばっかのイメージあるけど

あの子は自分の夢叶えるのに

一生懸命に勉強してきた

夢のためだけに、横道に逸れることなく

真っ直ぐに進んできたんやろう



多分、真面目な子なんやろうな



顔〜…はまぁ悪くない

目鼻立ちもハッキリしてるし

悪くないっちゃあ悪くない



「まあ、ちゃんと化粧して

 もうちょい身なりに気ぃつこたら

 エエんちゃいますかね」



「ハハハ!また腕踏まれるぞ!

 伝えとくけど」





本人に言うんかい





球児さんは運転しながらも

きっとAのことを心配してるんやろう

何がこの人をそうさせているんかは

俺には分からんけど…





「きっかけはどうであれ、これも何かの縁やと思う。

仲良くしたってくれな」



「うす」



縁…ねぇ



返事はしたものの俺自身がそういう考え方を持ってないからよう分からんわ



そうこうしている間に

駅前のロータリーに到着した



「お世話になりました、ありがとうございました」

「うん、また呑もう
 今度は途中退場すんなよ」



了解っす、と助手席のドアを閉める


俺は球児さんの車が見えなくなるまで見送り

スマホを片手にホームを目指して歩いた









.

19話目のお話→←it's your turn



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:坂本勇人   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おか(´・ω・`) | 作成日時:2021年7月4日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。