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華奢でふんわりと甘い匂いのする彼を一度
抱きしめて離れると、また驚いた顔
「なに？」
「いや…」
「…きょもは外に出ないの？」
開いた窓から外を見ながら聞くと、
後ろからは「出れないから」と言葉が返ってきた
表情からして何か深い事情があるらしい
「そっか」
「ジュリは自分が好き？」
「……嫌いかな。きょもは？」
「俺も。ジュリはどうして自分が嫌いなの？」
無力だから…嫌いなんだよね。
想像の世界では俺が一番強くて凄いのに、
現実ではここに逃げてくるくらい弱い。
人間関係にも疲れちゃって…
自分だけが世界から取り残されてる事に
気づかないようにしてる。
自分が弱いのは自分のせいだから、
この口だけの性格は変わらないし…
「もっと強い人間になりたかったんだけどね」
「同じ人種なんだね、俺たち」
「なら、きょもが自分を嫌いな理由は？」
「同じく無力だから。ここにいるからしょうがない
って割りきればいいんだけど、ここで過ごしてから
空が飛べなくなっちゃって…」
綺麗な金の髪に触れて頭を撫でれば、
雪のように白くてすらっとした手が伸びてきて
同じように頭を撫でられた
「ジュリは優しいね」
「そう？」
「初めての友達がジュリで良かった」
幸せが何なのか、愛が何なのか、
ありきたりな疑問に漸く答えが出たかもしれない
この二つはきっとこんな人がくれる
温かい日だまりのような感情と
儚いなにかで出来た
とても脆いものなのだろう
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続く (更新停止中)
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