Be with you![東リべ短編集]

ﾘｸ:やっぱり君こそマイヒーロー＊ ページ7

ATTENTION:Another trip over the wall のあの人です。
読んでいないと分からない話の上、最早モブなので苦手な人はブラバお願い致します。


・もしもあの時判断が早ければ、のお話。
そして、本編の種明かし的なお話です。






サクサク、雪を踏み鳴らす音が心地よい。
この時間が永遠に続けばいいのに、とさえ思えた。



でも、やっぱりおかしい。




そう思って、もう一度振り向いたその時。
私の目が、鈍色の反射光を捉えた。



私はこの色の反射光を知っている。場地殺しの手段を思いついたあの光と同じ光。金属の反射光だ。



そして、この夜の淡い街灯の光でも反射光がここまで届くような、鋭利な金属といえばアレしかないだろう。


何処の誰かは知らないが、私はもう弱くない。



私の体は、考える前に動いていた。



刃物を構えて、こちらに向かってくる何者か。


そいつが此方とすれ違うタイミングで、私は体を宙に浮かす。


相手が、私に気がついた。が、もうそんなことは関係ない。
頭を目掛けて、足を振り上げる。


相手の判断が少々早かった。


私の蹴りは、敵の頭ではなく刃物を持った手にヒットした。



衝撃で相手の手から刃物が吹っ飛び、電柱に当たってキィン、と甲高い音を立てる。

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