シリアスにならない [どついたれ本舗]

第五話 ページ5

『おかえり』


「……顔死んどるがな」


『普通だよ普通｡ねぇ盧笙』


「なんや」


『メガネ貸して』


「…一応理由聞こか」


『叩き割る』


「アホか!!」


『無理もう嫌だ昨日アンタら帰ったあと電話来て渡すの明後日にして欲しいとか言いやがってクソが』


「断ればええのに…」


『そしたらどうせバラすとかなんとか言うんでしょどーーーーせ!!!!はっ!!自分でネタ考えねぇくせによ!!!!!!』


「落ち着けキャラ崩壊してんで｡…仕事はもう終わらせたんか?」


『うん…終わった…ご飯作って…今日朝からほとんど何も食べてないの…』


「台所借りるからな…って…きっったな」


『うるさい』


「いやこれめっちゃ汚いんやけど､まず掃除からやん」


『あのおっさん片付けしないで帰りやがったからな…あっねぇ冷蔵庫にお酒入ってる?』


「ん?えっとな…あー入っとる」


『おっけい』


「飲むんか?」


『飲む､盧笙飲む?』


「今日はお前に付き合う､愚痴りたいこと沢山あるんやろ」


『やったね』


「でも飲みすぎはあかんからな､お前酔ったらめっちゃ面倒やし」


『わかってます〜』









____________________









__________







『あ"ー…ぁあもうほんとどいつもこいつも…』


「…飲みすぎるな言うたやろが」


『ネタ考えるん楽やないってわかっとるやろなんでそんな簡単に早く欲しいとか言うんアホか脳内お花畑か…』


「関西弁出とる｡…てかなんで標準語話してるん?」


『えー…前に少しだけ東京住んだ時に標準語がいいかなと思って勉強したらそれが癖になった…』


「あーそうなんや」


『はー…なんで私って面白くないんだろ…なんでネタは思いつくのにそれを上手く演技できないんだろ…』


「練習付き合うか?」


『んーん…いい…何度やっても私には向いてないし…』


「んなすぐに諦めんでも…」


『諦めるしかないんだよ｡…諦めなきゃダメなんだよ…私なんか』


「あーもううざい!!なんでそんな諦めるん?まだ練習すれば」


『何度もしたよ!!!!してたのに…』


「なら諦めずに」


『うるさい!!夢諦めた盧笙に言われたくない!!』


「っ…何､言って…俺だってな…諦めたくて諦めたんちゃうわ!!お前と…同じ､で…」


『………ごめん…言いすぎた…ごめん』


「ご…ごめん…俺も､怒鳴って…」


『もう…嫌や…』


「…ほら､まだ飲むやろ｡俺もまだ飲み足りひんわ」


『…ん…飲む､盧笙つまみ作って』


「はいはい」




__

第六話→←第四話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す