奇跡 .夢野幻太郎. (ページ6)

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第6話ページ6

「げーんたろ!」

「帝統は来てないんですか」

「先にトイレ行くって!…えーっと君がAさん?」

『初めまして､えっと…飴村…さん､ですか?』

「えぇそうですよ｡ギャンブラーの帝統はもう少ししたら来ますよ」

『そうなんですね』

「幻太郎から目が見えないって聞いたけど何も見えないの?」

『はい､なーんにも｡…あ､幻太郎さん｡飴取ってください』

「乱数にですか?」

『はい』

「えっなになに?」

『これ､どうぞ』

「僕に?ありがとうAちゃん!!」

『いえいえ､味は大丈夫ですか?』

「大丈夫だよっ､じゃあ僕もAちゃんに飴あげる!りんごだけど大丈夫?」

『りんご大好きです｡ありがとうございます』

「よかった!それと飴村じゃなくて乱数でいいよっ､Aちゃん」

『…はい､じゃあ乱数さんで』

「あれ､ここか?」

「帝統､随分と遅かったですね」

「部屋の番号忘れて迷ったんだよ｡…で､お前がA?」

『初めまして､有栖川さんですよね』

「おう｡つか帝統でいいぜ」

『じゃあ帝統さんで…飴どうぞ』

「まじ!?さんきゅ!!ちょーど腹減っててよ」

『飴でお腹膨れるんですか…?』

「何も食べれないよりはマシだろ」

『…幻太郎さん､売店行きたいんですけど』

「いえ行かなくていいです､帝統がこうなったのはきっと賭場にいってお金が無くなり何も食べてないだけですから」

『でも』

「いいですから｡自業自得です」

『…でもやっぱり放っておけませんよ｡帝統さん､今500円しかないんですがこれで何か買って食べてください』

「Aさん…」

『いいんですよ､お金持ってても私買うものとかありませんから』

「～っ!!さんきゅ!!いいやつだなお前!!」

「あっ病院は走ったら…って､もう行ってしまいましたか」

『ふふっ…面白い方ですね』

「そうでしょうか」

「確かに帝統といると楽しいよね～」

『…』

「Aさん…?大丈夫ですか?」

『…ごめんなさい､ちょっと目が』

「大丈夫Aちゃん?」

『ん…はい､大丈夫です』

「痛むんですか?」

『たまーにですよ｡大丈夫です』

「よかった…何かあればすぐに行って下さいね」

『はい､ありがとうございます』

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