奇跡 .夢野幻太郎.

第5話 ページ5

かれこれ何時間話しているだろうか


時間を忘れるくらいAさんと話すのは楽しい



『幻太郎さんってほんとすごいですね』


「そうですか?」


『はい､お話すごく面白くて｡なんでそんなに思いつくんですか?』


「そういう話を考えるのが好きなんです」


『ふふ…すごいなぁ｡目が見えるようになったら幻太郎さんの小説読んでみたいです』


「目が見えるように…?その目は治るんですか?」


『…まぁ､はい｡手術をすれば少し視力は回復するみたいなんです｡とても難しい手術ですけど…』


「そうでしたか､手術はするんですか?」


『いいえ｡そんなお金はありませんし…もしかしたら突然目が見えるようになるかもしれないと言われてるんですよ』


「突然?」


『はい､でもそれは奇跡がおこらない限り無理らしいですけど』


「…治るといいですね」


『奇跡がおこるのを毎日願ってるんですよ』


「それなら小生も願いますよ」


『ふふ…ありがとうございます』


「いえいえ｡…Aさんに紹介したい方がいるんですが…いいですか?」


『誰ですか?』


「私の友人なんですが」


『あっもしかして夢に出てきた帝統って方ですか?』


「そうです｡それともう1人乱数という方もいるんですが」


『…乱数､どっかで…』


「飴村乱数､元The Dirty Dawgのメンバーですよ」


『あぁっ!!えっどうしてその方とお知り合いなんですか?』


「Fling Posseは聞いたことありませんか?」


『あー…なんか聞いたことあるような』


「小生はそのメンバーです」


『…えっ…夢野…幻太郎……そういや前同室だった女の子が言っていたような…まさかそんなすごい方と私お知り合いになっていたなんて…』


「そんなすごくはないですよ｡…紹介したいんですが､いいですか?」


『もちろんですよ』


「ありがとうございます､早速連絡してきますね」


『えっあっ今日?』


「ええ､そうです｡お昼頃来るらしいんですよ」


『そうなんですね…幻太郎さんのとこに行った方がいいですか?』


「いえ､ここで大丈夫ですよ」


『じゃあ待ってますね』


「はい」








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