第3話 ページ3
『ありがとうございます、助かりました』
「いえいえ。…あ、ベッドはここですよ」
Aの手を優しく握りベッドまで連れていく
『夢野さんは優しいですね』
「そんなことありませんよ。…では失礼します」
『あっ!!あの!!』
「はい?」
『あ…えと、ん…』
「…ははっ…またここに来てもいいですか。Aさん」
『っ…はっはい!ぜひ!!』
「ありがとうございます。では、また明日」
『はい、またあし…明日?』
「おや、ダメでしたか?」
『そっそんな!!ぜひ!!』
「それでは、失礼しますね」
『はい、夢野さん』
…Aさん…か
目が見えず階段から落ちて足を骨折
病室を出ようとした時のあの寂しそうな表情
きっと今まで話す相手はいなかったのか…
「…あ…飲み物」
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_______
「Aさん」
『っ夢野さん!』
「お邪魔しますね」
『どうぞどうぞ』
「足は大丈夫ですか」
『大丈夫ですよ。夢野さんも大丈夫ですか?』
「ええ、平気です」
『夢野さんって何してる人なんですか』
「小説を書いてますよ」
『えっ小説?すごい…私昔よく読んでたんですよ』
「…昔?」
『この目はいつかな…16とかに目が見えなくなってしまって』
「そうですか…」
『小説読むのが好きだったんですよ。…でももう読めなくて。点字で作られた本あるらしいんですけど。…でも私は目で字を読んで楽しみたい…』
「…Aさん」
『っあ…すいません』
「いいえ、大丈夫ですよ」
『小説を書いてるんですよね…腕怪我してたら』
「ええ、書けません。でもすぐ退院できるくらいの軽い骨折ですから」
『…そう…ですか』
「ははっ…大丈夫ですよ。すぐって言っても2週間くらいはここにいますから。…それまで毎日ここに来てもいいですか?」
『いっ…いいんですか?』
「えぇ。…Aさん、話す相手がいなくて寂しいんですよね」
『まぁ…はい。私こんなだから話し相手がいなくて。といっても相手の顔が見れないから話すのは怖いんですけど…でも…誰とも話さないと怖くて』
「私はAさんと話すの好きですよ」
『そ…そうですか…?』
「ええ。…Aさん小説が読むのが好きとおっしゃっていましたよね」
『はい…それがなにか…?』
「面白い話があるんですが…聞きますか?」
『…ふふ…はい。お願いします』
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ゆる - 面白かったです!! (2020年8月19日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
しゃか(プロフ) - ニケさん» こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございます…!! (2020年5月7日 8時) (レス) id: 69f25d052a (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます (2020年5月3日 9時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
しゃか(プロフ) - イカ娘さん» 読んでくださりありがとうございます!! (2020年3月16日 7時) (レス) id: 69f25d052a (このIDを非表示/違反報告)
イカ娘(プロフ) - とても素敵なお話で勇気づけられました。ありがとうございました! (2020年3月15日 11時) (レス) id: 9b4f71d253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃか | 作成日時:2019年3月2日 13時