奇跡 .夢野幻太郎. (ページ14)

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第14話ページ14

「そろそろ帰る時間だね～」

「もうそんな時間か?」

『はやいですね｡…もっと皆さんとお話していたいのに』

「もう～Aちゃんってば可愛い」

『乱数さんすぐそう言うんですから…』

「でも本当の事ですよ」

『げっ幻太郎さん!?』

「幻太郎がそういうこと言うなんて珍しいな…」

「さっ帰りますよ｡…Aさん､お邪魔しました｡騒がしくして申し訳ありません」

『そんな!!すごく楽しかったです､またみなさんで来てください』

「もっちろん!じゃーね!!Aちゃんっ」

「またな､A」

「それじゃ」

『幻太郎さん』

「…?はい?」

『相談があるんですけど…少しここに残ってくれませんか』

「相談?もちろんいいですよ」

「じゃあ僕らは帰るね､幻太郎」

「じゃーな～また来るぜ」

「えぇ､お気をつけて」

ドアが閉まりベッドに座りAさんを見る

するとすごく暗い顔をしていた

「どうかなさいましたか…??」

『…最近すごく頭痛がするんです｡痛くて痛くて…凄く､その…怖くて』

「怖い?」

『私身体も弱くて…いつか死んじゃうんじゃないかって…』

「…」

『怖いんです…毎日寝る度明日起きられるのかなって』

「先生には?」

『言ってますよ｡でも原因がわからないって…ストレスかもしれないと言われました』

「そうですか…でも大丈夫ですよ､きっと」

『大丈夫…ですか』

「ええ､小生は医者ではないので断言は出来ませんけどね｡…でも安心してください､Aさんは死んだりなんかしませんよ」

『どうしてそんな』

「だって小生と出会ったんですよ?…実は私は人間の身体を借りた神なのです｡ですので死ぬなんてありません､だから元気を出してください」

『…はははっ…もう､そんなこと言って｡やっぱり幻太郎さんはすごいな､もう元気出ちゃった』

「それはよかった｡…神は嘘ですが死なないのは嘘ではありませんよ」

『ありがとうございます｡話したらスッキリしました､幻太郎さんに相談してよかった』

「それはよかったです｡…またなにか不安になったら言ってください､元気が出るようなお話をしてあげましょう｡そろそろ戻りますね､前回戻るのが遅くて看護師さんに怒られてしまいましたら」

『ふふ…はい､また明日来てくれますか…?』

「えぇ､もちろん｡また明日､Aさん」

『っ…はい､また明日』

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