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21話 ページ21

髪を引っ張られたまま応接室へむかう


途中で離すかなと思ったら離さなかった




『いった…』



雲雀は中へ入ると真ん中の椅子へ座り私をジーッと見てくる


私は頭を抑えてその場に立ったまま




「座らないの」


『いや説明して』


「…」


『はぁ…授業始まる。じゃあ失礼しま』




と言った時に丁度チャイムが鳴り響いた





『…チッ』


「そこ、座りなよ」


『はぁぁ…』





仕方なく奥へと進みソファに腰掛ける




『それでなに』


「君、小さい頃の記憶がないんだってね」


『ないよ。…ディーノさんから聞いた?』





そう言うと雲雀は無言で近づき私の隣に座ってくる


めちゃめちゃ怖い




『…え…なに』


「君って笑ったりするの?」


『いきなりなんの質問…別にするけど』


「ふーん」


『…それが?』


「僕、小さい頃君と会ってるんだけど」


『え?』


「君が階段から落ちた時、その時に会ってる」


『…まじか』


「全く覚えてないんだね」


『ぜんっぜん思い出せない…はぁ…ねぇ、その会った時の話してよ』


「…あの時僕はただ歩いてた。退屈だったからね。そしたら階段の方から誰かが落ちてきた。近づいたら僕と歳が近いくらいの人が血を流して転がってた」


『んー…そういや…昔よく施設から抜け出して一人で散歩に行っていたような…』


「そこ人は滅多に通らないし僕は携帯も持ってなかった、でもその子は目を覚まして起き上がった。それでとりあえず布で頭を抑えて近くに座らせた。僕はすぐにその場から離れようとしたけど君が僕の袖を掴んだまま離さなかったから仕方なくそのまま座って誰か通るのを待った」


『今の雲雀なら絶対咬み殺してる…んで、そこで私何か言ったの?』


「暫くはずっと無言。…というか、ずっと真顔で何を考えているのか全くわからなかった。本当に生きてるのかどうか少し考えたよ」


『まぁ施設にいた頃はずっと真顔で静かだから気味が悪いって怖がられてたくらいだしな…記憶ないけど』


「僕も黙って待ってたけど突然君は泣き出した。…父さん、母さん、ディーノって言って」


『…だから、わかったのか。ディーノさんが話した時名前を言ってないのに私だっ…て………あれ…』


「…なに?」









___

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くら(プロフ) - 27さん» ありがとうございます〜!!また雲雀さん書きたいなって思ってるのでぜひぜひ見てください( ˘ω˘ ) (2019年4月8日 20時) (レス) id: 59ac186e9d (このIDを非表示/違反報告)
27 - とっても面白かったデス。 恭君可愛いスギ///尊死… (2019年4月8日 2時) (レス) id: 83d0ffd5ad (このIDを非表示/違反報告)
くら(プロフ) - かっぱえびせんさん» ありがとうございますー!!今忙しくて少ししか更新できませんが頑張ります…!! (2019年3月13日 7時) (レス) id: 59ac186e9d (このIDを非表示/違反報告)
かっぱえびせん - 面白すぎる!更新陰ながら応援してます! (2019年3月12日 0時) (レス) id: 18f009c68c (このIDを非表示/違反報告)
くら(プロフ) - teさん» あああっありがとうございますーー!!!良い作品になるよう頑張ります!! (2019年3月11日 0時) (レス) id: 59ac186e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くら | 作成日時:2019年2月26日 22時

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