図書室の彼女『 雲雀 恭弥 』

48話 ページ48

『ねぇディーノと会ってからすごく不機嫌だけどどうしたの?』


「…別に」


『もう…』


「そんなに跳ね馬といたいの?」


『……今は雲雀といたい』


「そう､それならいいけど」


『…本読む』


「A」


『なに』




私の隣に座り呼びかけるが本の世界に入ってしまった私は雲雀を見ずに返事をする




「…ねぇ」


『なに』


「ねぇ」


『っ…はぁ…なに?』



本を奪われてしまい雲雀の方を向く




「…もう一度あの時の言って」


『え?あの時のって何?』


「君が僕に告白してきた時の」


『…は』


「はやく」


『どういうこと…』


「いいから」


『…はぁ…雲雀､その…えっと…お願い目を見ないで』


「なに?」


『恥ずかしいんだってば…というか雲雀から言ってよ』


「嫌だ」


『…す……す､すっ……き…です』


「繋げて」


『えぇ…やだ』


「なに?」


『ごめん冗談トンファー出さないで』


「はやくして」


『…好き､雲雀のこと』


「…」


『…え…雲雀?』


「…なに」




雲雀の今の顔は見たことない

すごく赤い





『だい…大丈夫?』


「…はぁ」


『っ…雲雀?』


「恭弥」


『え?』


「恭弥って呼んで､今だけでいいから」


『…それで､なに｡恭弥』


「ちゃんとした返事､してなかったよね」


『絶対ディーノとの会話で思い出したでしょ…されてないよ』


「…僕も､君と同じ気持ちかもしれない」


『はははっ､全く…まぁいいか』


「…ダメなの?今のは」


『んーん､ダメじゃない』


「そう､ならいいけど」


『…飽きたから離れる､とか言わないでよ』


「言わないよ｡…絶対君を手放さない」


『そう｡…ありがとう､恭弥』


「ん…さっき今だけでいいって言ったけど今日から名前で呼んで」


『ははっ…わかったよ｡恭弥も君じゃなくてAって呼んでよ』


「…気が向いたらね」


『もう…まぁ恭弥らしいからいいけど』









･ 終わり ･

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