ぶつかった相手は893(碧棺左馬刻)

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家に入りソファに座ると左馬刻さんは私の隣に座ってソッと首に触れる



「…痛てぇか」


『全然､大丈夫ですよ』


「そうか…ホントに悪かった｡…すぐ気づいてりゃこんなことにはならなかったよな…俺のせいだ｡守るつったくせに…クソッ…」




…嘘…あの左馬刻さんが泣いている…??




『あっあの…そこまで落ち込むことないですよ??怪我だってほら首に少し跡ついちゃったくらいですし…気にしないで』



よしよしと頭を撫でると左馬刻さんは私を抱き寄せ胸に顔を埋めて静かに泣き始めた




『へっちょっ…あの』



やばい…こんなことされたら心臓がもたない…




「…お前､ほんといい匂いするよな｡落ち着く…」


『いい匂いっていっても服は左馬刻さんと同じ洗剤使ってますし匂い同じですよ…多分……それよりも大丈夫ですか…?』


「悪い｡…守るって言いながらお前に怖い思いさせちまった｡本当に悪かった…」


『大丈夫ですってば｡…でもめちゃくちゃ怖かったので罰として私に財布買ってくださいね』




そう言うと私から離れて涙を流しながら優しく笑い私の頬を撫でる



「…なんでも買ってやる｡お前の欲しいものは俺が手に入れてやる｡…だから､俺から離れようとすんなよ」


『はははっ…なんですかそれ｡告白みたい』


「……みたいじゃねぇ」


『え?』


「お前が犯人に言ったあの言葉､全部聞いてた」


『…は?ん???なんのことで…?』


「ストーカー野郎に俺の事好きか聞かれた時､好きっつったよな｡…心の底から愛してるって」


『…』





うそ…でしょ…


え…なんで…




「お前から連絡あってすぐかけたけど出なくて｡でも銃兎からのメール見てお前が危ないってことがわかって全力で走って帰ってきた｡…そしたらお前があの野郎に腕掴まれてて､すぐ助けようとしたけどちょうどさっきのとこで｡…動けなかった」


『…アイツに左馬刻さんが好きかどうか聞かれた時に…ちょうど来てたんですか…』


「おう」


『…え…あの…あれは…そのー…』


「くっ…はははっ!!…お前が俺の事を好きだってことは前からわかってたっつーの､わかりやすすぎんだよバカ」


『……』


「俺が寝てると思ってペラペラ話しやがって｡…バーカ」


『あ…あ…え…』


「…ほんと､可愛いな」


『待って今は見ないで…』


「んで､返事は」


『へっ返事と言われましても…』


「…好き､A」


『う……私も…大好き､です』


「…おう､さんきゅ」

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