ぶつかった相手は893(碧棺左馬刻)

17 ページ17

『はい､これどうぞ』


「おう｡…で､次は」


『そうですね…食料買いに行きましょ』


「家で料理作んのか」


『しますよ､まぁてきとーですけど』


「ふーん」


『あとは…そうだ下……いや､これは…いいか』


「んだよ」


『……下着､買いたくて』


「…」


『あの…これは今度1人で』


「1人は危ねぇつってんだろーが｡いい､外で待ってっから買ってこい」


『え…あ､す…すいません』


「…」


『…左馬刻さん?どうかしました?』


「……行くぞ､」



何故か少しだけ頬を赤くさせ固まっていたので声をかけるとハッとしてふいっと顔をそらし歩き出す




『なんかしたかな…』


「…ﾁｯ」







________________






________





『よし…これくらいでいいかな｡ありがとうございます､付き合ってくれて』


「別に｡他はねぇか」


『ないです』


「帰るか｡…荷物貸せ」


『そんな､いいですよ』




いいから､と言い無理やり私から荷物を取って歩き出す



…左馬刻さん､ほんとに優しいな





「明日も同じ時間か」


『同じです』


「明日は…少し遅れるから会社の中で待ってろ｡着いたら連絡すっから」


『…左馬刻さん､なんで私にそんな優しくしてくれるんですか』


「なんだっていいだろ」


『気になります』


「気にするな」


『きーにーなーりー』

「うるせぇダボ｡…ほっとけねぇんだよ､お前のこと」


『え?』


「ずっと前からストーカーされてんのに気づいてなかっただろお前」


『…え???』


「ぶつかってから俺らよく外で会ってただろ｡その時お前を見かけた時｡後ろに知らねぇ男がお前のことをつけてた」


『見たんですか?』


「いや､帽子かぶってたから顔は見てねぇけど」


『…てか…そんな前からストーカーされてたのか｡えぇ…こんな私のどこがいいんだか…』


「…着いた」


『あ､ほんとだ｡送っくれてありがとうございました､また明日お願いします』


「おう｡…A」


『はい?』


「お前は自分のどこがいいのかって言ってっけどよ､全部いいに決まってんだろ｡…お前は可愛いから狙われんだ｡…じゃあな」





そう言い去っていく





『さ…左馬刻…さん…』





外は寒いはずなのに何故か暑くなってくる




…はやく…家入ろ








___

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す