ぶつかった相手は893(碧棺左馬刻)

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『…え?』


「おう､終わったか」


『いや…その､なんで…』


「帰るぞ」



仕事が終わり会社から出ると少し離れたところに左馬刻さんが待っていた

先に歩き出すのでとりあえず後ろをついていく




「…」


『……あの』


「あ?」


『いや…どうして迎えに』


「お前ストーカーされてんだろ」


『えっ』


「…銃兎から聞いた｡この時間に一人で帰んのはあぶねーから迎えに来たんだ」


『あ…あぁ､ありがとうございます』


「仕事があって迎えにこれねー時もあるからそん時は気をつけて帰れよ」


『わかりました｡…優しいですね､左馬刻さん』


「…」


『…ははっ､可愛い｡照れてる』


「あ"ぁ!?」


『怖いですって』


「…ふん」


『帰りどっか寄っていきませんか』


「てめぇストーカーされてるってわかってんのか」


『わかってますよ｡今は左馬刻さんと一緒ですし大丈夫ですよ｡というか今じゃないと買い物できませんし､お願いします』


「…どこ行くんだ」


『んーまず左馬刻さんにお礼がしたいので…何が欲しいですか?』


「別にいらねぇ」


『私がしたいんです』


「…じゃあ､ガム」


『コンビニ行きますか』


「おう｡…お前彼氏とかいねぇのか」


『え?どうして』


「俺と2人で歩いてるとこ見られたらやべぇだろ」


『あぁなるほど｡いませんよ､私の事好きになる人なんていませんし大丈夫です』


「んでそんなこと」


『私何回か付き合ったり告白されたりはあるんです｡でも全部嘘だったんです｡告白は罰ゲーム｡これは学生時代の時｡その後卒業した後に私が好きになって告白して付き合ったらただ身体が目当てなだけで｡…ほんと嫌になります』


「…だから､誰かに好かれるのはありえないってか」


『はい､好きになるのも嫌になって周りと仲良くするのも嫌になって｡…だから壁を作るようにしてます』


「俺にもその壁はあんのか」


『えっ…あ……いや､その』




やっば口滑った…




「まぁいいけどよ｡あんならぶっ壊せばいいだろ」


『え?』


「オラ行くぞ」





壊すって


それって…





『…ほんとわからない』


「どうした」


『なんでもないです｡行きましょう』









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