野良猫が住み着きました。[夢野幻太郎]

嘘. .41 ページ41

『ねぇげんた…ろう…え??』


何かすこし静かになったなと思い周りを見ると私の知った顔は誰もいなかった



"迷子にだけはならないでくださいね"



幻太郎に言われたこと思い出した




迷子になっちゃった







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迷子になるなと言ったのに…


いや…少し目を離してしまったのも悪いか




「A…」



あちこち歩き探すが見当たらない

今日は人が結構いる


まずい…




やはり携帯を持たすべきだった…

でも前に持たせようとしたら



"携帯?そんなんいらないよ､どっかに忘れていきそうだし｡携帯買うならお菓子買って欲しい"




…と､言われた


やはりあの時無理にでも持たせるべきだった…今まででも何回も危ない目にあっている


Aは自覚していないが容姿は整っていて綺麗…そりゃ狙われる




「…A…どこなんですか」









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『おお…この魚でかい｡幻太郎見つけたら教えよ』



いやいやこんなことしてる場合じゃない…

てか幻太郎和服だし誰かに聞いたらわかるんじゃ??




『あのすいません､和服の男の人見てませんか?』


「いや…見てないです」


『ありがとうございます』





…まぁ広いし…見てないか





『はぁ…あ､すいません｡和服の男の人見てませんか?』


「ごめんなさい…見てないです」


『そうですか…ありがとうございます』




幻太郎…





「オネーさんっ､なに?誰か探してるの?」



後ろから肩をトントンと叩かれ振り向くと数人の男性が立っていた




『えと…和服の男の人を』


「なに?彼氏?」


『…まぁ』


「ふーん…俺らさっき見たよ｡な?」


「あぁ､見た｡多分近くに居るし一緒に行こっ」


『…』




…幻太郎に知らない人に着いていくなって言われてたっけ




『いや…やっぱりだいじょ』


「いいじゃん､ほらこっち」


『えっちょっ!!』




肩を掴まれそのまま前へと進んでいく

手を掴み離そうとするも中々手が離れない



『自分で探しますから離して』


「いいからいいから」



何がいいんだよ!!!


あぁもう……



『早く離し…』


「おい」



手を掴み離そうと頑張っているとどこからか低い声が聞こえてきた








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