家に帰ったらパン一男性が座ってます

15個 ページ15

「…もっとくっつけって」


『そんなに甘えてどうしたの』


「だーから違う｡…お前が疲れてるから俺が癒してやろうと思ってやってんだって」


『ふふ…そう､じゃあぴっっったりくっついちゃおうかな』



クスクス笑いながら帝統の腰に腕を回して擦り寄る

帝統は満足そうに笑いぎゅうっと抱きしめてくれた




「なぁ､明日仕事か」


『んーうん』


「休めねぇの?」


『無理だよ｡…大丈夫､心配しないで｡あんなことよくあるんだから』


「…そ｡んじゃ俺は明日賭場行くからここには多分寄らない」


『はぁ…多分じゃ困る｡ちょっと手離して』


「なんだ?」



ベッドから起き上がり引き出しを開けて合鍵を取り出す




『…賭け事とかに使わないでよ､絶対』


「んなことするかよ｡…いいのか?」


『パン一で玄関先にいられるよりは全然いいよ､前隣の人に言われたんだよ｡最近不審な男性がアナタの家の前にいるけど大丈夫?警察呼ぶ?って』


「マジかよ」


『マジだよ｡…私貧乏なんだから絶対何も盗まないでよ』


「んでいつもその心配すんだよ…ほら､早く来いって」


『はいはい』




再び布団に入り帝統に抱きついて横になる



「Aの物どっかの知らねぇやつに渡すなんて絶対やだし」


『ん､ならよろしい』


「…なぁ…勝手に家入ってもいいの?」


『いいよ､また風邪ひいたら嫌だし｡お風呂も勝手に使っていいから』


「さんきゅ｡…嬉しい」


『合鍵渡しても付き合ってるわけじゃないからなー』


「なっ…わーってるよ｡…絶対振り向かせてやるし」


『ふふ､そう｡…おやすみ､帝統』


「…おやすみ」




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