片想い［神宮寺寂雷］

診察::25 ページ25

『…』


ゆっくりと目を開け目の前の光景に固まってしまった



だって…


目の前に､先生がいたから




「おはよう､今起こそうと思ったところなんだ」



寝起きで訳がわからずタオルケットを頭までかぶる



「Aさん?」


『大丈夫です寝起きで色々訳分からなくて…』


「??」


『お､起きます…朝ご飯作るんですよね?手伝いますよ｡…その前に顔洗ってきます』


「それじゃあ先に作っているからね」



コクンと頷き洗面所へと歩く





『ね､寝起きで先生は…やばいって…』





先程のことを思い出しぶわぁっと顔が熱くなる





『あっつ…無理…』









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二人で朝ご飯の準備をする､その時に夫婦みてぇだな!?と思い耳まで真っ赤にさせたのは私です




「それじゃあ職場まで送っていくよ」


『すいません､ありがとうございます』


「いえいえ」






また先生の車に乗れるんだ…緊張する




助手席に乗り車内を見渡す
昨日はドッキドキして何も考えられなかったからあまり見れていない




すごく綺麗…




「そんなに中を見て…最近忙しくて掃除ができてないんだ､あまり見ないでほしいな」



なんて苦笑しながらエンジンをかける




かっこいいです




掃除してないって…すごい綺麗なのに…







「…Aさん」


『はっはい!!…あ…ごめんなさい…』



考え事をしてたせいで元気に返事をしてしまった



「はははっ､元気のいい返事だね」


『ボーッとしててその…ほんと…ごめんなさい…｡それで…なにか?』


「昨日はごめんね､抱きしめたりとか…そういうことをして」


『大丈夫ですよ｡…嫌じゃなかったし…』


「本当かい?」



あ"あ"っ聞こえてた




『……はい』


「それならよかった｡…私もAさんに抱きしめられた時は嬉しかったよ」





もううううそれ…ほんと先生ぃぃい……





『…ありがとうございます』



両手で真っ赤になった顔を隠す
まぁ先生は運転で前を見てるから見られてないけど






これで出勤するとかキツいな







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