片想い［神宮寺寂雷］

診察::21 ページ21

「ん…美味しい」

「ホントだね」

「俺っち食べたりない､どっぽ〜一口ちょーだい!!」



私今すぐこの場から逃げ出したい
こんな褒められんの久しぶりすぎて…


とりあえず離れて両手で顔を隠す





「…?Aさん?気分悪いかい?」


『い､いや…別にそういう訳じゃないです』


「それならいいのだけれど…気分悪くなったらすぐに言うんだよ｡いいね?」


『…はい』








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「今日はとても楽しかったよ､それじゃまたね」


『ホントに料理美味しかったです､ありがとうございました』


「いえいえ｡…外雨降ってるみたいですからお気をつけて」


『雨で…』


と言った瞬間周りが光でかい雷の音が鳴り響く
急なことでびっくりしすぎて両耳を塞ぎその場にしゃがみこむ



「だっ大丈夫ですか!?」


「うひゃ〜…今のでかくなかった?」


「雷もなってるんだね…」



先生は私と同じくしゃがんで背中をさすってくれる



『き､急で…びっくりして…』


「大丈夫だよ､帰りは送ってくから」


『ありがとうございます…』


「…それじゃ､失礼するよ」



手を握って立たせてくれたと思いきやそのまま歩き出す




『あのっ…先生､手が…』


「雷､怖くないのかい?」


『……ありがとうございます』


「ふふ…いえいえ､家に着くまで私がずっと傍にいるから｡安心して」




そう言われ顔を真っ赤にさせてしまう
先生の手を握り俯きながら歩くと再び雷が鳴る

その音にビクッと身体を震わせると空いてる方の手で頭を撫でてくれた




「…車､外にあるんだけど…走れるかい?」





…スーツで私…中､シャツだし…


まぁ大丈夫か





私は静かに頷く
すると"それじゃあ行こう"と言い私の手を握り車へと走る



先生は私に合わせてくれてるから全力じゃないと思うけど私は全力で走る





やばいこれは運動不足




助手席のドアを開けてすぐに乗り込む





『はぁ､はぁっ…』


「はぁ…結構降ってるね…急いで帰ら…ない､と…」




先生は隣に座る私を見て固まった
そして片手で目を隠す



『え?ど､どうしました…?』


「そ､その…これ…着ていてくれないか」



顔を逸らしながら先生は自分で着ていた上着を私に渡す



まさか…と思い下を見ればジャケットの隙間から下着が透けて見えていた




その瞬間顔がぶわぁっと熱くなる




『すっすすすすいません!!』




急いで上着を羽織る









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