【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ10)

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109話　其々の夢ページ10

貴『いきなりおらぶなぁ！』

キラ「おら…なに？」

杉元「あれめちゃくちゃ怖かったぞコラァ！！」

貴『おのれ許さんッ』

杉元とミツキはそのへんの枕を門倉の顔面にズバンッと勢いよく投げつける。

海賊「牛山さんさぁ、埋蔵金見つけたら分け前つかってなにするか考えてんの？」

牛山「うーんそうだなぁ…世界中から腕っぷしの強いやつを集めて、誰が一番強いか決める試合の賞金にするかな」

海賊「牛山さんらしい夢だ…」

貴『牛山さんが勝ちそ〜』

牛山「ふん、分からんぞ？」

夏太「俺は羊の牧場を経営するんだ！北海道じゃまだ誰もやってねぇ。牛より育てるの楽だし、毛は軍用に高く売れるし」

白石「羊肉は臭いらしいぞぉ、絶対失敗するわ」

貴『人の夢に酷い言い方だなぁ〜』

そう言いつつもミツキはきゃっきゃと笑いながら酒を器に注いで呷る。

海賊「じゃあシライシの夢は何だよ」

白石「夢？…う〜〜ん…遊郭に行ってうまいもの食って…」

牛山「そんなもんいつもやってることだろうが」

白石「…」

貴『…夢かぁ〜』

そのまま白石は横になって黙ってしまい、そこからは其々の夢話に花が咲く。
白石はきゃっきゃと楽しそうに笑って呑むミツキを、チラリと横目で盗み見た。

永倉「お前らいい加減に寝ろ！札幌連続殺人の次の犯行の予想はあと二日しかないんだ。早く起きて札幌を捜索するぞ」

杉元「うっせえコラァ！！」

…

翌日。

一同は懸命に次の犯行現場を予測しようと捜索を続けるも、結局街娼を数人帰らせただけで何の収穫も得られず、とうとう日が暮れようといていた。

土方「急げ…今夜を逃せば犯人はどこかに姿を消す」

貴『これは…かなりまずい…』

白石「やばいやばい！日が暮れるぜ！」

そんな時永倉が「次の場所が分かった」と、ボロボロの男を連れてきた。

…

石川「犯人は時間帯もジャック•ザ•リッパーの真似をしてるので、犯行時間の真夜中までまだ時間があります」

そうして石川啄木の名推理により、次の犯行現場が札幌ビール工場だということが分かった。

石川「ふう…たしかに伝えましたよ…」

永倉「もういい休め！！石川…！！お手柄だ、見直したぞ！！」

石川「あんたらの蝦夷共和国ってのが面白そうだから…どうしても見届けたくてね…」

白石「…？オイ啄木ちゃん」

その時、何か見つけたのか白石が紙のようなものを拾い口を開く。

白石「この絵葉書…東京から札幌薄野遊郭に出張してきてる話題の花魁じゃねぇか」