【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ7)

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106話　あなたに微笑むページ7

白石「ふーん……
……へ？」

目を点にしてポカンと口を開く白石に、海賊はいたずら好きな子供のように楽しげに微笑んだ。

…

貴『…！木が倒れてきてる……！？』

なにやらバリバリと音がし始めたと思っていると、木々が次々とゆっくりこちらへ倒れてくる。

倒れてくる木々を躱そうとするも上手く行かず、木々の間に閉じ込められてしまった。

貴『…っくそ…さすがに斬れないか…』

刀を思い切り頭上に倒れている木に突き刺したが、そこから引っかかって抜けなくなってしまった。

貴『…？これは…ヤマザクラ…？』

木々の隙間からは殆ど陽の光は入ってこずほぼ真っ暗だ。

しかし辛うじて、先ほど見ていたヤマザクラがすぐ真横まで届く場所にあることが分かる。

貴『…ふふ…ちょっといいかも…』

木の幹にぶつけたのか頭は酷く痛み、グラグラと歪む暗い視界を最後に意識を手放した。

…

白石「なにが起きたんだ…？」

海賊「これが北海道の伐採方法さ。俺んち林業だったから知ってんだ。
何十本もの大木に切り目を入れて、風上の一本を切り倒す。するとあたり一面が将棋倒しになる」

白石「杉元たちはこっちの森に入ったぜ…まさか巻き込まれてねぇだろうな…
杉元ォ！！アシㇼパちゃん！！ミツキちゃん！！」

それから少しして、白石は杉元とアシㇼパの二人を探し出し無事救出することが出来た。

アシ「あと見つかってないのは峰山だけか…」

白石「ミツキちゃん！！ミツキちゃーん！！」

杉元「頭巾ちゃんも見てないみたいだな…」

…

それから更に探し、ふと遠くに何やらキラキラと陽の光に反射するものが木の幹から一本伸びている。

アシ「…あれはなんだ？」

杉元「刀だ！峰山はあそこか！」

白石「ミツキちゃん！！」

なんとか木の幹をどかすと、頭から血を流したミツキがヤマザクラの花の中で横たわっていた。
あまりにも綺麗なその様子と、柔らかに微笑んで眠るミツキがまるで死人のように見える。

杉元「おい…死んでないよなこれ…」

白石「そ…そんなまさかぁ…」

そう言って白石が恐る恐るミツキを揺さぶると、ピクリと反応し目をうっすらと開けた。

貴『……ん…』

アシ「よかった…意識があるみたいだ」

白石「ミツキちゃん…よかった…」

何かに抱き締められているような温もりに、眠っていた脳が段々と活性化していく。

貴『…しら…いし…？』

ミツキは力が上手く入らない腕で、ぎゅ…と抱き締め返した。

海賊「お熱いねぇ〜」