124話 "神" ページ25
土方「…ふん…お前には一度だけ、見せてやったことがあったな」
杉元「…っこの期に及んで、まだ俺たちに隠してることがあるのかよ！！俺はあんたの兵隊になったつもりはねえぞ！！
情報は全て共有しろ！！」
杉元がそう問いただすと、土方はシャツのボタンを一つ一つ外し、脱いで見せた。
「…！」
土方「私に彫られた神の文字の刺青…暗号を解いた時、この文字がちょうどこのあたりの兵糧庫に重なっていた。
ここに必ず、何かが埋まっている」
…
その後、土方はシャツを着直しひとり外へと出ていき、ミツキ達は床下を掘る作業を再開した。
ガ キ ン …
貴『…また石ですか…』
白石「また石だ…」
貴『つかれたぁ…』
ミツキは「はあ〜…」と長い溜息を漏らし、自身の掘っていた穴の中に座り込み休憩する。
白石「…"神"の刺青って、本当に何か意味があんのかな？」
杉元「……わかんねえけど、"シン"とか"ジン"とか、同じ読みの漢字が他の刺青人皮に無いのは気になる」
貴『神……カムイ…？うーん…』
それから暫くして、眠っていたアシㇼパも起きて作業に参加し始めた。
ミツキ達がそこからまた暫く掘っていると、アシㇼパが何か硬い箱のようなものを掘り当てた。
貴『こんな箱の中に金塊の入った袋が…？』
牛山「この箱だけ？」
白石「馬鹿野郎ッもっと埋まってるに決まってんだろ！」
門倉「早く開けろッ早く早くッ」
そうして皆が見守る中、白石が箱の蓋を開く。
中には珪藻土が敷き詰められており、その下には更に動物の胃袋で守られた一枚の冊子が出てきた。
白石「冊子？」
夏太「なにが書かれてる？」
貴『まさか"お宝は無いよ〜"とか…』
門倉「やめろよ笑えねぇ…」
都丹「ジジイたちに読ませろ！！」
そして永倉と土方に手渡され、冊子の中に目を通した。
永倉「これは…！！」
土方「……土地の権利書だ」
アシ「…！金塊で買った土地の権利書？どこに？どのくらいの広さの土地だ？」
土方は「見てみろ」と、アシㇼパに冊子を広げて見せる。
土方「北海道のあちこちにある広大な土地だ」
そこからはガルトネル事件やら何やらと小難しい話が続き、ミツキがふと目線を白石に移すとダラダラと汗をかいており、これまたなんとも言えない形相をしていた。
貴『…？だ…大丈夫ですか…？』
白石「……… ち ょ っ と 待 て … じ ゃ あ 金 塊 は …
も う 無 い っ て こ と な の か ！ ？」
アシ「私もこれしか無いと思っていた…」
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作者名：ちあきんぐ | 作成日時：2024年3月12日 11時
