【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ3)

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102話　心配ページ3

海賊はそのままニコッと無邪気な笑顔を浮かべ、二人の背中をポンと叩く。

海賊「でも本当は俺に情が湧いたからなんだろ？杉元ぉ〜！ミツキちゃんも〜」

貴『……近…』

目線と体を海賊から離すミツキをよそに、海賊は楽しそうに「わかった」と話を続ける。

海賊「俺の情報は刺青人皮が集められたら教えてやる。用心のためにな」

白石「後悔すんなよ杉元、ミツキちゃん。
いざ金塊が見つかったら独り占めされるかもよぉ」

アシ「それお前の話か？」

白石「…っ」

貴『…プッ』

アシㇼパからの辛辣な指摘に白石の顔にギュッとしわが寄り、思わずミツキが吹き出す。

白石「あ…頭巾ちゃんが流れてきた」

その後、途中でロープが切れ離れ離れになっていたヴァシリの小舟と無事合流し乗せてもらった。

…

杉元「アシㇼパさんなにしてんの？」

貴『それは…？』

アシ「舟にあった棹に"キテ"をつける。私たちは先っぽだけ持ち歩いて、あとはその場で棒を見つける」

杉元「クジラの時に使ったやつ？」

アシ「そうだ！よく覚えてたな。鮭を捕まえる"マレク"は大きな獲物に使えない」

貴『はぇ〜…』

ミツキがそんな話を聞いていると、舟の後ろの方で先ほどから漕いでいた白石の息があがっている様子に気付く。

白石「ふぃぃ〜…きつぅ…」

貴『代わるので休憩して良いですよ』

白石「ほんとぉ？もぉ〜ミツキちゃん優しい〜！でも怪我はいいの？」

ミツキは「もう治ってるから大丈夫」と右手に巻いていた包帯をほどき、ほぼ塞がってはいるも痛々しい傷痕を白石にチラリと見せた。

貴『ちょっと見た目は悪いですけど…』

右手を引っ込めオールを掴もうとするが、白石に手を握られる。

貴『…！な…なんですか？』

白石「…なんで亜港であんな無茶したんだよ。キロちゃんがやられるとでも思ったの？」

貴『……分からない…』

眉間に皺を寄せて哀しそうな白石の眼差しが、ミツキの心を締め付ける。
握られる手がなんとも擽ったい。

貴『気付いたら体が勝手に動いて…』

あの時、私の体は勝手に動いていて、気付けばキロランケの前に出てマキリの刃を受け止めていた。