【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ20)

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119話　大事なものページ20

土方「こんな時間まで続けていたのか？熱心なのは良いことだが…風邪を引いても知らんぞ」

貴『土方さん…！でも、千まであと少しなので！
"釘は熱いうちに打て"ってやつですよ！ね？』

土方「それを言うなら"鉄は熱いうちに打て"だ。
…それはそうと、昼からずっと何も食べていないようだが」

貴『ご心配無用です！全然お腹空──』

グゥ…ギュルル……ゴロ…

土方「…」

貴『全然空いてな──』

グギュ…ゥ…グルル…

土方「無理をしても体を壊すだけだ。中で食べなさい」

貴『……すみません…』

…
……

土方「…？何を見てる」

貴『水路にカニがいるんですよ！ちっさくて可愛い…！』

永倉「はあ…カニなんか後で見なさい。行くぞ」

貴『…あ…親子ガニだ…』

土方「…この小さいカニはお前みたいだな、ミツキ」

貴『……じゃあ…この大きいカニは…土方さんですね』

土方「…そうだな」

…
……

土方「本当は護身用ではないんだろう？」

貴『…なぜそうお思いに？』

土方「見ていれば分かる。刀を振るうお前の真剣さは、いつもどこか焦りを感じる。復讐でもする気か？」

貴『…』

土方「人を斬る覚悟…お前にあるのか？」

貴『……覚悟…』

私にそんなもの

本当はなかったのかもしれない

あの時杉元さんと白石さんに止められて

ほっとしてしまったんだ

復讐よりも大切なもの

大事にしたいものが

出来てしまったせいか

…
……

アシ「…解けたみたいだ…」

杉元「…！」

白石「ほんとか！？…ミツキちゃん、起きて起きて！暗号解けたって」

貴『…ん…？あんこう……？』

まだ半分寝ぼけながらも白石から離れ、座席の後ろ側へ振り返る。

白石「…これが金塊の在り処？ほんとに？」

杉元「どう見ればいいの？これ…」

都丹「どこなんだ？なんにも見えないぞ」

貴『…都丹さん…』

ツッコミづらい内容なせいか都丹の盲目ジョークには誰も触れず、話は進んでいく。

アシ「この線…ほかの線を突っ切ってるこの線だ…みんな分かるか？」

貴『…！これは…』

白石「……あ！！」

土方「…五稜郭だ。よりにもよってここか……面白くなってきたなぁ…ガムシン」

永倉「…」

門倉「……あ…ちょっと待てよ」

貴『どうしたんですか？』

門倉は解読された刺青人皮の上に、もう一枚入れ墨の写しのようなものをカサカサと重ねる。

キラ「それ門倉の入れ墨の写し？」

貴『…！門倉さんにも入れ墨あったんですね…？』