【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ18)

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117話　大切ページ18

涙で視界がよく見えない…

揺れる宣伝販売車の中で目を覚ますと同時に、アシㇼパから突進からの抱擁を喰らう。

傷口がズキズキと痛むが、どうやら誰かが治療をしてくれたようで止血されている。

白石「はぁ〜…生きてたかぁ…よかった…」

杉元「アシㇼパさんが手当てしてくれたんだ、感謝しろよ！」

アシ「弾は奇跡的に貫通してたからな…運が良かった」

貴『…！海賊…さんは…？』

海賊「…てっきり死んだと思ってたぜ…ミツキちゃん…」

貴『…！よかった……』

お互い辛うじて生きている状態であることに変わりはない。
それでも、また声を聞けることが
どうしようもなく嬉しいのだ。

貴『うぅ…よ゛か゛った゛ぁ〜』

海賊「はは…元気そうでなによりだが…ちとうるせぇかな…」

海賊は泣いて抱きつくミツキを退かすこともせず、されるがままだ。

白石「くぅ…そこ代われよボウタロウ…」

そんな中、先方に牛山が見えた。

白石「！牛山だ！！」

アシ「土方歳三を呼んできて！！偽物の判別方法が分かった！！」

…

そうして一同は札幌停車場に止まり、その途中で海賊を緊急で診てくれる医者を見つけ、彼とはそこで別れることとなった。

白石「ありがとよ、ボウタロウ」

貴『またね…海賊さん』

そう呟き、医者のもとを離れアシㇼパ達の元へと戻る。

白石「…ていうかさぁ！ミツキちゃん！無茶しすぎ！！ほんとに何考えてんの！？」

貴『！…ご…ごめん……どうしても…守りたくて…』

白石「…」

ミツキの言葉に、白石は深い溜息をつく。

白石「あのねぇ……それは俺も同じなんだよ。だからってひとりで突っ走っちゃダメでしょ？」

貴『…はい…』

白石「……無事で良かったけどさ…どんだけ心配したと思ってんの…」

貴『…すみません……』

そう謝りつつもミツキは、白石の顔を見れず俯いてしまう。

白石「…撃たれたところ、大丈夫なの？」

貴『…まだ使えます……っ！？い゛た゛ぁッ』

白石「なにが"まだ使えます"だ！無理して死なれたら寝覚めが悪いんだよ、分かった？」

貴『…分かりました…』

ミツキは白石からの唐突なデコピンに悶絶しながら、そう返事した。

…

アシ「皮をなめす方法にはいくつかあって、杉元は安くて簡単に手に入るミョウバンを使っていた。でももっと柔らかく上等な皮になめすには、植物の汁を使う方法がある。キブシとか…ケネの汁だ…」

アシㇼパは線路のレールの上に、イポプテが持ってきた五枚の刺青人皮を敷いた。