116話 愛する人達 ページ17
白石「房太郎ッ！！ミツキッ！！」
貴『ぐぅ…ぅッ』
海賊も撃たれたせいか、車は建物の外壁にぶつかり止まる。
白石「…どうしちまったんだよボウタロウ…
お前ならあのまま俺を弾除けにするはずだ。
らしくねぇな」
海賊「… あ ー … し く じ っ た ぜ …」
貴『く……ッかいぞく…さん…しなせませんよ…ッ！』
白石「やめろミツキッお前だって撃たれたじゃねぇか！！」
ミツキは視界がぐにゃぐにゃと捻じ曲がる中、海賊のシャツのボタンを外し手当てを急ぐ。
貴『…よかった……きゅうしょ…はずしてる…っ』
息がしづらく荒ぶる呼吸のなか、無理に刀身で銃弾を何発も受けてしまったせいか震える手で、海賊の撃たれた箇所を止血していく。
「……、……」
「それがアイヌから……なのか？……そこに…」
即席だが辛うじて生かしている程度の処置を済ませ、何やら話す二人の会話を、ミツキは薄れゆく意識の中聞いてバタリと倒れた。
白石「！！ミツキッ！！くそ…ッ」
…
……
「ミツキちゃんはなんで彼らといるの？」
『え？』
ここは…
あの駄菓子屋…？
「帰らなくて良いのかい？きっと心配してるんじゃないかな？」
『心配…？』
そんな人…私にはいない…
「本当に？」
え？
「どうした峰山、傷が痛むか？」
「峰山ぁ〜ヒンナだよな？」
アシㇼパさん…
「食べないと傷も治らないよぉ〜〜？」
「峰山は飲み過ぎだ！白石も止めろよ！」
杉元さん…
「…その傷…残りそうだな」
「ミツキッッ！！」
キロランケさん…
「これは驚いた、侍の生き残りかな？」
「…一緒に来る？俺の国に」
海賊さん…
「怪我はいいの？」
白石…さん…
「な…なに笑ってんのよぉ〜…心配してんだからねぇ〜？」
「途中ではぐれた時…ッ無理してでも探せば良かった…ッ！」
そんな顔して泣いてくれる人なんて…
いないとおもってたのに…
ずっとわたし…
「ミツキちゃんの夢は？」
『夢…？』
わたしのゆめは…
大好きなみんなといたい…
まもりたい…
たすけたい……
ずっとたのしく
わらいあっていたいよ…
『しなないでよ…！まもるから…っ！
どこにも…
いかないでよ…っ』
……
…
「止まるな！！行け！！」
「イポプテ！！」
叫び、銃声…嫌な音が耳に入ってくる。
貴『…たしが…まもる…から……っ』
アシ「…っ！峰山…生きてたのか…！」
貴『…？アシ…ㇼパさん…？…ッぅぐぅ…！！』
白石「！ミツキちゃん…！？」
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作者名：ちあきんぐ | 作成日時：2024年3月12日 11時
