【金カム】坊主頭に興味が湧いて参 (ページ2)

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101話　刀カットページ2

それから程なくして白石が水面にプカプカと浮かんでくる。

貴『私が行って来ます！』

ミツキは力なく浮かぶ白石に手を伸ばし川から引き上げると、代わりに川へ飛び込んでいく。

アシ「ユペ…チョウザメだ！！」

飛び込んだ瞬間に聞こえた通り、チョウザメの群れが物凄い速度で泳ぎ通過していく。

貴『…！』

水中にて杉元と海賊を探していると、外輪に髪を挟まれたらしい海賊ひとりだけがいた。
…このまま見殺しにするのは軽率か。

ザクッ

海賊「…っ！」

切れ味の良い刀身は海賊の髪を最も容易く切断する。
髪を斬られた海賊は、目を点にしたような表情をミツキに向けた。

…

白石「すまねぇ船長さん…本当に俺たちは強盗一味じゃなくこいつを追っていたんだ」

貴『連行する為、船からは大人しく立ち去りますので…』

船長「うるせぇ、お前らのせいで俺の船がメチャクチャだ。今すぐ消えろ」

こればかりは本当に申し訳ないことをしたと、ミツキはシュン…と少しばかり落ち込む。

アシ「杉元！平太が持ってた砂白金を…」

杉元「ああ…そうだな」

杉元はそう言うと、「さて…」と海賊の方へ振り返る。

杉元「海賊房太郎と手を組もう」

白石「…は？」

海賊「俺の情報が欲しくてミツキちゃんに助けさせたのか？若山の親分の話を聞いて予定変更ってこと？」

むにゅっと柔らかく口角を上げミツキにチラリと視線を向ける。

杉元「いいや、刺青人皮探しは継続する」

海賊「じゃあ囚人探しを手伝えと？俺は暗号解読に期待してないと言っただろ？」

杉元「お前が親分から聞いた話…分からなくもない。
だが今現在、ほとんどの刺青人皮を押さえてるふたつの勢力がいる」

貴『…土方歳三と鶴見中尉…』

久しぶりに名を口にする。
土方さんは今何してるんだろう…。

杉元「あの切れ者のふたりが"刺青人皮集めを継続してる"という事実は無視できない」

海賊「そいつらから刺青人皮をぶん取るために人手が欲しいだけだったのか？」

杉元「刺青争奪戦では俺たちは圧倒的に不利だった。海賊房太郎に会うまでな。

これは俺の勘だが、もし埋蔵金の集められた地域を特定できているならそれが…

土方歳三と鶴見中尉を一発逆転で出し抜く唯一の方法になるかもしれない」

貴『……それを聞き出す為に、海賊房太郎を拷問するか。
否、そんな方法で聞き出す情報はあてになりませんよね。
だったら、手を組む方が最善かと』

二人の話を聞いた海賊は「なるほどね…」と呟く。